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レインマン評論(20)
一人で勝手に「トム・クルーズ強化月間」の第八回は「レインマン」です。最初に出てきたフェラーリがやたら古いと思ったら1989年の作品でした。ダスティン・ホフマン52歳に対してトム・クルーズ27歳。25歳の歳の差兄弟は無理がなかろうかと思いつつ、まぁそこは映画ですし大目に見ましょう。
27歳のトム・クルーズが若くてカッコいい。確かに当時から人気があったのも納得のイケメンです。それにしても素晴らしいのはダスティン・ホフマンの演技でしょう。自分の知り合いに自閉症の人はいないので比べようもないのですが、説得力のある演技で魅了します。ダスティン・ホフマンってスゴい役者さんだなぁっと再認識しました。思わずつられて「オッオー」と言いたくなってしまいます。
でも、ホントこの二人の父親って不器用な男だったんでしょうね。チャーリーへの優しさもあったのでしょうが、レイモンドを施設に入れた罪悪感もあり、死ぬまで真実を伝えない、でも金だけはレイモンドに渡すとか残された方は迷惑以外に何物でもないです。気まずい気持ちがあったにせよ、せめて手紙ぐらい残せよと。
物語はけっこう淡々と進んでいくロードムービーで大きなハプニングもなく中にはちょっと退屈に感じる方もいらっしゃるのではないかと思いますが、この作品にはこのテンポが大切なのではないのかなと思いました。ブワッという感動ではなくって心にじんわりと染み渡るような作品でした。
若かりし頃トム・クルーズは、こんなに美しかったのかと、そりゃ映画界は夢中になるよな、と納得。
永久不滅のテーマだろうし、いつみてもいいだろうと思われる映画。
舞台を機に再鑑賞。ダスティン・ホフマンの演技に注目されがちだが金として見ていた兄を徐々に家族だと感じ始めるトムの繊細な演技も好きな作品。
自閉症は、新しい環境に慣れるまでに時間がかかるというイメージだった。
離れ離れになった兄弟が、お互いに感じている絆。
そのバランスというか、居心地の良さを表現したのが
レイモンドの 「病院でチャーリーと暮らしたい」
という想いにあったのかなと感じた。
SEXを聴覚で捉えてみたり、スーザンのキスはどうだったかという感想も、面白い。
才能を生かせる場として、カジノというチョイスも面白かった。
結末は少しモヤモヤ。でも、レイモンドらしいと思った。