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バッテリー評論(18)
しかしタイトル通りにバッテリー話を深耕していて、
更には野球の醍醐味的は話もあり、素直に感動。
(深耕度合は浅いんだけどね)
野球って気持ちを伝えるスポーツなんだよ、
その中心にバッテリーが居る、みたいな。
だんだんバッテリーてBLにしか思えなくなって来た。
「ナイスボール!」「今日は球走ってるねー」
これはジャレ合いでなければ何だろうか。
少し混乱してますが、
期待してなかった分楽しめた気がします。
話の筋を触ったら、文句はかなりありますよ。
中学の野球部ってそんなに甘くないぜ、って。
(一応元野球部の実体験から)
この頃から才能あるなって感じる。
スポーツ系の映画は興味ないし見たくもないけどこれはただのスポーツ系のとは違って観れる。
キャストも結構豪華。
あまり分からないけれど、
ピッチャーとキャッチャーの信頼関係にグッと来た。
巧の祖父を演じた菅原文太が素晴らしかった。ともすれば説教臭くなるセリフが、自然と頭に入ってきた。
主演の林遣都は、ガラスでできたナイフみたいな原田巧を体現。ものすごい美少年。容姿だけでなく、今、この瞬間しかない少年としての美があった。なるほど、原田巧はこういう姿をしていたのかと納得した。
巧の弟の青波は、天使のよう。こんなに可愛くて病弱な弟がいたら、親の関心が弟に集中し、原作で巧が鬱屈していたのも納得。映画ではその感情は殆ど描写されていない為、原作既読の方が楽しめるだろう。
ストーリーは、原作1、2巻をメインに巧中心に整理整頓し、よくまとまっていた。原作は3巻以降、他キャラ中心になり軸がぶれた為、一つの作品としては映画の方が出来がいい。
ただ、「巧の野球は祈りで、病弱な弟の為に野球をしている」と父がラストで述べたのは、原作と真逆。原作では、野球に呪縛され、自己存在の証明の為にボールを投げる少年だからだ。その難しい気質をそのままやると泥沼にはまる為、変えたのだろう(原作も作者が巧を描けなくなり、実質未完で投げ出された)。
そんな泥沼な原作を、友情、家族愛をテーマに再編したのは正解だったと思う。直球で優しく穏やかな、いい作品となった。
野球漫画でも野球映画でも本格派ピッチャーに必要なのはその剛速球をしっかりと受け止めることができるキャッチャー。「以前いたチームのキャッチャーはどのくらいの期間で捕球することができたか?」と自分の腕前もアピールしたくてしょうがないキャッチャーの永倉豪(山田健太)も伴宙太からはじまる伝統的なタイプ。明るく前向きな性格がちょっと性格の悪い巧ととてもいい相性となり、最後まで“夫婦”としての2人から目が離せない。彼は医者の息子でもあり、母親には中学校に入ったら野球を止めさせられる約束だというところがミソで、巧との間に亀裂が生じたときの駆け引きが絶妙な心理描写となっていた。
他の選手ではオールラウンドプレイヤーのサワ(米谷真一)が好きなキャラだ。お調子者だが、ミスも多い。暴力事件などでは自分の臆病さを嘆き悩むというキーパーソンとなっていました。すし屋の息子とともに仲間たちの潤滑油となり、チームには必要不可欠な存在なのだろう。野球はチームプレイであることを爽やかに感じさせるキャスティングだったと思います。
孤独なピッチャー、そして彼の家族。特に病弱な弟青波(鎗田晟裕)と母親(天海祐希)の溺愛ぶりが巧をさらに孤立させるが、そのおかげでワガママな性格が相手を思い遣る性格へと成長していく過程が清々しく伝わってくる。バッテリーの絆と家族の絆、このバランスが“ピンチに弱い”巧を鍛えてくれる様子にも心が温かくなりました。
頭髪の問題とか、道場破りにも似た漫画的な展開というツッコミどころもありましたけど、リアルな描写のおかげで夢中になってしまい、忘れてしまいました。それよりも、すっかり童心に帰った気分に浸れ、キャッチボールがしたくなります・・・10分100円でいいから・・・