アル・パチーノとジーン・ハックマンが共演し、ヒッチハイクでアメリカを旅する2人の男の友情を描いたアメリカン・ニューシネマの名作。南カリフォルニアの人里離れた路上で出会った短気な男マックスと陽気な青年ライオン。6年の刑期を終えて出所したばかりのマックスは洗車店を始めるべくピッツバーグへ、5年間の船乗り生活を終えたライオンは一度も会ったことのない我が子に会うためデトロイトを目指していた。正反対な性格の2人は出会ってすぐに意気投合し、一緒に行動することになるが……。監督は「哀しみの街かど」のジェリー・シャッツバーグ。1973年・第26回カンヌ国際映画祭で最高賞にあたるグランプリを受賞した。
スケアクロウ評論(20)
怒り屋のマックスと優しいライオンの凸凹コンビの友情を描いたロードムービーで最後はきっと成功するハッピーエンドなのかなと思ったけれど、それを裏切るような残酷な展開
笑って生きるのがいいんだ!と言って明るく生き続けたライオンが、別れた妻から辛い言葉に現実を伝えられて壊れる場面・・・マックスが怒りに狂って喧嘩を起こす直前の張りつめた空気より怖いなと感じた
尻切れトンボのようだって感想もあるけれど(アルパチーノとジーンハックマンの仲が良くなかったからああいう終わりに方になった?)一緒に仕事をしようと思ってたライオンを置いて一人で旅立つマックス・・・
ああいう選択、そして心境を考えると悲しい。
さみしー男のはなし?
アル•パチーノのインタビュー本を読んだところ、この撮影ではジーン•ハックマンとソリが合わずじまいだったとのこと。私の記憶が正しければ、不仲のせいで途中で撮影ができなくなったはずで、ラストは無理矢理感が否めません。
本来なら結末がちゃんとあったはずで、ラストのいいとこで幕切れ、残念です
男二人組の素晴らしい青春映画です。
一方で、アル・パチーノ演ずるライオンは、陽気でまともな人物に思えたが。パートナーが妊娠したことを知りながら、5年前突然家を出た過去がある。その深い理由について映画では何も説明されない。しかし私にはその心情が少しわかるような気がしている。子供が出来、家庭を持つことによって失われる「自由」に目が向いた時、「オレは本当にこれでいいのか」と、逡巡してしまう気持。そして、失意のもと再びパートナーの元へ帰ろうとしているわけだが。
'70年代の雰囲気満載の作品である。『カッコーの巣の上で』とよく似た感じだと思う。