「ファーゴ」でアカデミー脚本賞を受賞したジョエル&イーサン・コーエン兄弟が監督・脚本を手がけ、同姓同名の富豪と間違えられて誘拐事件に巻き込まれた男の騒動を描いたコメディ。1991年、ロサンゼルス。その日暮らしの気ままな生活を送る無職の中年男デュードは、同姓同名の富豪リボウスキと間違われ、2人組のチンピラから借金を返せと脅される。腹を立てたデュードは、賠償を請求するべくリボウスキの豪邸に押しかけるが追い返されてしまう。数日後、リボウスキに呼び出され再び彼のもとを訪れたデュードは、誘拐されたリボウスキの妻バニーの身代金の引き渡し役を依頼されるが……。キャストには主演のジェフ・ブリッジスをはじめ、ジョン・グッドマン、スティーブ・ブシェーミら個性派が集結。
ビッグ・リボウスキ評論(20)
キャストが豪華であり、何気ないロケーションが独特で渋い。進行も絶妙で一歩間違うと崩壊する脚本をギリギリで繋げて何故か退屈しないコーエンワールドだった。
ストーリーは主人公ビッグリボウスキが同姓同名の人と間違えられ、複雑な事件に巻き込まれるというもの。
緻密な脚本とカントリーロック中心のサントラ、ジェフ・ブリッジスの好演により、見ていて痛快なコメディ映画になっている。ウォルターのラストまでの面倒くささは見ているこちらが腹が立つくらい(笑)。
ラストもセンスを感じる。
シュールな笑いや、食い違いによる笑いなど絶妙なユーモアで鑑賞者を笑わせてくる。これがコーエン兄弟の得意とするユダヤ的笑いやブラックコメディなのかと痛感させられる作品であった。
特に主人公の友人、ウォルターの面倒臭さはキャラとしてかなり好き。
現実にいたら絶対に近寄りたくないタイプだけど。
ストーリー的に全然ハッピーじゃないのに、
人生いろいろあるけど生きてりゃまずOK
そんな気分にさせてくれる、良い映画だった。
不満を言うとすればジョングッドマンの役がずっと怒鳴ってて少しイラついた
では、なにに惹きつけられるかというと、だらしなくも自由な時間が有り余っているこの空気感なのだと思う。くだらない日常にある幸福感がなんとなくにじんでいる。
ボウリングっていうのがそれを象徴しているようにも思える。最高に盛り上がるわけでもなく仲間とゆるくだらだらと楽しめる空間。
全体的に1970年代あたりをなつかしんでいるようでもある。