差別と偏見、貧困などさまざまな問題を抱えた環境の中で生徒たちに正面から向き合った、実在した中学生教師たちの生き方を描いたドラマ。1985年夏、被差別部落が隣接する大阪市西成区北部の中学校。荒んだ学校生活を送っている生徒たちに、蒲先生ら教師たちは手を焼いていた。臨時教員として赴任してきた加藤先生が生徒に受け入れてもらえず自信喪失する姿に、蒲先生は得意の野球で生徒と向き合うことを提案する。登校拒否になった転校生、家庭を顧みない母親、酒浸りで在日朝鮮人の父と暮らす女生徒、出身地を恋人に告白することができない卒業生、服役中の父親に代わって家庭を支える野球部主将など、さまざまな事情を抱えた生徒たち。蒲先生ら教師たちは、彼らと向き合い、時には生徒の家庭へ強引に入り込んでまで、彼らの生き方を模索する。主人公・蒲先生役を大阪出身の山中アラタが演じる。監督は「秋桜残香」「傘の下」の川本貴弘。
かば評論(16)
長い年月をかけてクラウドファンディングを募りながら作られた作品というだけあって、沢山の人の応援や愛情がこもった素晴らしい作品だった。
脚本も役者も演出も音楽も全てがマッチしていて、時代は変われど感情移入してしまう。
「全部の生徒に優しい先生でいてね。」
問題児だけじゃなく、悩みを心の内に秘めた生徒にも寄り添う大切さに気付くシーンに心打たれた。
この作品に出会えてよかった。決して商業的な映画ではないと思うが、円盤化・全国での上映を希望する。
生徒の中ではリョウタとユウコ、卒業生のユキのエピソードが染みた。特にユウコちゃんの健気さが…あの環境でよくこんな美しい心のままで!応援します!
実話をもとにしたそうで、その後はみんな元気に暮らしてるのかな。35年前の話だから今頃はユウコちゃん50歳くらいか…
こう思いを馳せることが出来るのも、実話映画の良さ。
映画のあとのトークショー(主役の山中アラタさんと、睡蓮みどりさん)も面白かった。
差別されている人が多い地区の公立中学校の生徒と先生の話。暗い話になりそうなところを明るくユーモアを持って描いて好感が持てる。こんな先生が担任だったら、羨ましい。希望が持てる終わり方をしていて後味がいいけど、現実はそうでも泣いだろうと偏屈な私は思ってしまう。星を0.5挙げなかった私のへそ曲がりのためです。
かば先生は実在し、チャーコ先生は本当は男の先生だったそうだ。
5年以上の歳月が流れると、子供は成長してしまうため、子供はキャストを入れ替えて撮影されている。
もし、この映画が短期間に撮影され、2時間以内の尺におさまっていたとしたら、いい作品になっていたと思う。
実際には、たくさんのエピソードが詰め込まれ、ちょっとストーリーの線があやふやになってしまった感がある。
もう少し、丁寧に、綿密に作られていれば、本当に「大阪西成版・中学生日記」になっていたと思う。
でも、悪くないですよ!ぜひ、映画館で観てみてください!
西成の景色と子供達が、いとおしくなってくる!そんなあたたかい作品だと思います。