チャールズ・チャップリンが監督・脚本・製作・作曲・主演を務め、黄金を求めて雪山へやって来た人々が繰り広げる騒動を、映画史上に輝く名シーンの連続で描いたコメディ。ゴールドラッシュに沸くアラスカ。一獲千金を夢見て雪山に足を踏み入れたチャーリーは道中で猛吹雪に遭い、山小屋に避難する。そこには指名手配中の凶悪犯ラーセンが潜んでおり、さらに金鉱を発見したビッグ・ジムも転がり込んでくる。3人は小屋の中で猛烈な飢えと寒さに苦しむことに。その後、町を訪れたチャーリーは酒場で出会ったジョージアに一目ぼれするが……。
黄金狂時代評論(20)
チャップリンって大御所の貫禄とかがあまりなくて、すごく親近感があっていいなあと思う。でも庶民的という言葉はあまり似合わない。すごく特殊で、だからこそ愛されて。要するに天才的。
一獲千金を企む荒くれ男たちに混じってチャーリーが孤軍奮闘する物語に、極限状態に追い込まれた人間の欲と生への執念を、最上のユーモアで描いた人間ドラマ。
総合:65点 ストーリー:65 キャスト:75 演出:70 ビジュアル: 55 音楽:65
1925年製作という、もともとはサイレント時代の古い作品だけあって画像の悪さは仕方ない。だが靴を煮込んで食べたりフォークとパンで踊ったり崖で山小屋を傾かせたりという有名な見所があり、チャップリンらしさが見て取れる。もてない小男チャップリンが、愛するジョージアが来てくれると思ってその様子を想像している姿が楽しくも物悲しい。ここが彼の真骨頂。
そんなチャップリンだったはずなのに、最後の場面で結局あれほどご執心でお金持ちになったら迎えに行くよと言っていたジョージアを迎えに行ってないのがわかる。偶然船で二人が出会わなかったらどうなっていたのだろうか、そんなことでいいのかというのが疑問として残ってしまった。