ラッパーのマシンガン・ケリーことコルソン・ベイカーが主演を務め、犯罪組織の金を奪った男の逃避行を描いたクライムアクション。犯罪組織から金と麻薬を盗んで逃亡したフレディは、腹部に被弾しながらも長距離バスに乗り込む。これまで父親らしいことを何もしてやれなかった娘リリーへのせめてもの償いのため、どうにか逃げ切ろうとするフレディだったが、冷酷な女ボス・ヴィックが差し向けた追手により、フレディと共謀した仲間たちは次々と殺されていく。出血多量で意識が朦朧とし、車内には怪しい行動を取る乗客もいる中、フレディは藁にもすがる思いで疎遠になっていた父親に助けを求めるが……。「ミスティック・リバー」のケビン・ベーコンが主人公の父親を演じ、「ウォークラフト」のトラビス・フィメル、「透明人間」のストーム・リードが共演。
ワイルド・ロード評論(1)
何といってもフレディの疎遠になった父親役のケヴィン・ベーコンの、安定した曲者演技たるや。ハリウッドメジャーの超大作だろうと本作のような予算が限られたインディペンデント映画だろうと、確実にインパクトを残す俳優だ。
本作の脚本家ベン・コンウェイは、11月日本公開の『ナイトライド 時間は嗤う』も手がけており、実はこの2作はプロットがよく似ている。個人的には本作の方が好み。