「ミルク」「グッド・ウィル・ハンティング
旅立ち」のガス・バン・サント監督が、死にとらわれた若者たちの愛と再生を描いた青春映画。交通事故で両親を亡くし臨死体験をした少年イーノックは、それ以来、自分だけに見える死の世界から来た青年ヒロシを話し相手に生きてきた。そんなある日、イーノックは難病で余命3カ月を宣告された少女アナベルと出会い、ヒロシが見守る中、残された時間を過ごす2人は輝きを取り戻していくが……。主演は故デニス・ホッパーの息子ヘンリー・ホッパー。相手役のアナベルは「アリス・イン・ワンダーランド」のミア・ワシコウスカが務め、主人公のただ1人の友人ヒロシ役で加瀬亮が出演する。
永遠の僕たち評論(20)
イーノックは両親を亡くした。アナベルはガンを患っており死が近い。若い2人からは死の匂いが離れない。
彼らはそれぞれの状況から大人びて見える、ただその姿を見ていると胸がチクチク痛む。
人生に対する感謝をする姿が逆に辛くてしょうがない。本当はもっと何も考えずに生きていていいはずなのに。。。
だからこそ、最後のアナベルのお葬式のシーンでアナベルとの想い出を思い出し口元に笑みを浮かべるイーノックを見て安心した。
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『ハロルドとモード』を下敷きにしてることは確かだけど、『マイ・プライベート・アイダホ』の要素もあって、主人公の子がめっちゃリヴァー・フェニックス感ある。私の好きなタイプの顔。
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日本兵の幽霊が出てくるからもちろん日本要素も結構入ってくる。洋画で出てくる日本って謎な部分が多いけどこの映画は全く不自然なところなかった。なんなら日本人が撮るよりかっこよかった。
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特に加瀬亮がめちゃくちゃ良い。あの人ほんとに戦時中の人なんじゃないかってぐらい昔の日本兵感がある。私は主人公が帰ってきた時にゲームやろうぜってタバコをすいながらニヤッとするシーンがめちゃくちゃ好きだったな。
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あとはハロウィンで日本兵と日本人形(?)のコスプレなんて、すごい異質感あったけど良いじゃん。友達と日本兵のコスプレが被ることはさすがにおかしいけど日本人もやれば目立つと思う(笑).
男がこんなもんよく撮れるよなあ
と思って調べたら
この監督ホモだったんですね
どうりで
オカマ評論家が絶賛するわけだ
予告編を観て面白そうだったから観た。
まず最初に2人が出会うシーンはいいけど、そこから仲良くなるまでの時間が早すぎて後半になると遅く動くので違和感があった。こんなにも早く動くのかと思った。
日本兵が出てくるので親しみやすいところもあった。その日本兵側のお話は面白いしやっと友達にその手紙を渡せて良かったと思う。それに最後の迎えに行くシーンは衣装は謎だけれど設定としては分かりやすいし良かったと思う。
問題は他の役者の演技力。ミアは最初から最後まで良かったけれど、ホッパーは微妙だった。もっと上手くできるような気がする。何回か取り乱すシーンがあるけど、そこが物足りない。お父さんが凄いのでもっと期待してしまった。あとお姉ちゃん役の方。妹の癌が進行していると言われた直後にトイレで泣くシーン。鏡に顔も写ってるし背中も見えているんだから、もっと観客に悲しさが伝わるはず。けれどそんなに伝わらなかった。そこが残念。
いろいろ不思議であれ?って思うシーンが多かった。もう一度観たいとは思えない。でも悪い映画ではないと断言はできる。
ガス・バン・サント監督作品、そしてヘンリーホッパーが主演というだけで満点にしたい。
ハロウィンの夜からあとは、ヘンリーがデニスホッパーにそっくり生写し状態となり、かっこよくてうっとりした。エンドロール最後の献辞でまた泣けた。
イーノックも、アナベルも、アナベルの家族も、イーノックの叔母も、ヒロシも、皆大きな悲しみを抱え、笑ったり泣いたりして生きている。ヒロシは生きてないけど。
最後の、ヒロシが洋装で登場する場面はエッ??!!と思ったが、ヒロシにはヒロシの事情があるだろうし、いつでもみんな孤独な存在なれど決してひとりぼっちにしないという監督らしさも感じた。ヒロシの佇まい、ハロウィンのコスチュームなど日本的なものとの親和性、違和感のなさも、丁寧な作品作りを感じ入る。。
ガス・バン・サント監督が表すなんとも絶妙な人と人の関わり方、愛情、寄り添うような優しさ、どうしようもない不条理に対する怒り、反抗、反戦まで、さまざまな人であるが故生きてる限り感じる感情を、霧や雲やもやの中に包まれるような不思議な感覚で受け取るような感じ。
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