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仁義なき戦い 代理戦争評論(14)
代理戦争はシリーズで最高傑作と思います。ドンパチ場面やはっきりした裏切り行為等は少ないが、微妙な人間心理を利用したり騙し合いの中、筋を貫き通そうとする広能や倉元の男気が気持ちいい物語になっています。
仁義や人の気持ちを考える上では教科書といってもいいと思う程、セリフ一つ一つに意味を持っている内容となっています。
だらしない山守組長や腰ギンチャクの槙原の狭間で蠢く組幹部の武田・広能・松永・江田……打本は出世の為と他の組に取り入り筋違いの縁組みをしたり……
現代におけるサラリーマン社会でつまらない方々が上に立った会社の社長以下幹部たちの茶番劇に似たものがあります。
広能(文太)の何事にも筋を通す姿には、全て意味があり心が熱くなります。
もう一つ見て欲しい私の好きな所は、他の映画ではなかなか観れない、成田三樹夫(松永)が、最後まで崩れず(だいたい女性問題や権力に負ける配役が多い)、山守組長に意見したり、破門通告されても去り際まで男らしく格好いいのは見ものです。
単に登場人物の名前と顔と立場とやったことを覚えるだけでなく、前に死んだ役者が違う役で登場しているのも受け入れ泣けらればならない。
このシリーズで残念な部分は合法のビジネスとヤクザの世界・日本人と在日の世界がどうリンクしているのかが描かれてない点だ。だが、それまで書いたらそれこそ私にもワケわからなくなっていまっていたことだろう。
単なるヤクザ映画ではない。
今だからこそ、みる価値あります。