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ローレライ評論(14)
切迫感、凄み、テンションが上がりまくりです。
テンポも良いし、演技も最高。
最高品質の映画です。
潜水艦乗りのプライドとかそんなもんが微塵もない。
役所さんではどうも軽いんだよな。重厚感がない。
主要な登場人物達の一部が、なぜそのような行動をとるのかという理由を丁寧に説明していないので感情移入、共感ができない。
戦闘シーンは迫力があったが、台本が酷すぎて帳消しだった。
なんであんなにお金を使ってこれだけのものしか作れないんだ!
映画「ローレライ」(樋口真嗣監督)から。
終戦直前の指導者たちの葛藤が上手く表現されていて、
日米、仲間同士の殺し合うシーンがあるにもかかわらず、
鑑賞後に爽やか感が残り、他の戦争映画とは異なる感覚を感じた。
特に、役所広司さん扮する「潜水艦伊507艦長・絹見真一少佐」と、
堤真一さん扮する「海軍軍令部・浅倉大佐」との緊迫した会話は、
男の野望と正義がぶつかりあい、激しい言い争いになる。
「わからんか、絹見。100年後の日本を想像してみろ、
大人たちは誰も責任を取らず、行動もしない。
子どもたちは、自国に誇りを見いだせず、希望も持てない。
このままでは、日本は米国に従属する奴隷になりさがるぞ。
そんな国に、何の価値があるというのか」と一気にまくしたてる大佐。
それに答えて「私は信じる。たとえ国が焼き尽くされようが、
日本人は自分で絶望から立ち上がる。だからそんな考えには同調できない」
と言い返す艦長。行き詰まる会話に、私のメモは増え続けた。
戦争映画は、とかくメッセージ性が強いため、
時として、間違った方向へ洗脳してしまう可能性を秘めているが、
この映画は、国と国との戦いである戦争を題材にしているが、
ちょっと視点を変えれば、会社同士の争い、団体同士の争いにも通じる
大きな判断をしなければならない、指導者の葛藤が重なってみえる。
子どもたちのために「誇りや希望が持てる価値ある国・会社」にしたい。
艦長の「チョイ上げ」「チョイ下げ」で思い通りの航行が出来る、職人芸のクルー、格好よいです。
重い内容ですが、緩急のバランスが良くて、時間の経つのを忘れて見入っていました。
なんという豪華キャスト。大袈裟だけど、日本でもこんな映画を作れたんだね。