ようこそ映画音響の世界へ劇情
ハリウッドの映画音響にスポットをあてたドキュメンタリー。1927年に初のトーキー映画「ジャズシンガー」が誕生して以来、常に進化を続けている映画音響。本作では「キング・コング（1933）」「市民ケーン」「ROMA ローマ」など、新旧名作群の映像を使用し、映画音響の世界を紹介。ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ、デビッド・リンチ、クリストファー・ノーランら監督陣、「スター・ウォーズ」のベン・バート、「地獄の黙示録」のウォルター・マーチ、「ジュラシック・パーク」のゲイリー・ライドストロームといった映画音響界のレジェンドたちのインタビューを盛り込み、映画における「音」の効果と重要性に迫っていく。
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ようこそ映画音響の世界へ評論(1)
"サウンドが映画の50%を占めている事を認識する人はほとんどいない。"
Before we were born, you're looking at darkness. Sound is the first
sense that gets plugged in. Six months, seven months into the womb.
It's hearing the mother's heartbeat. It's hearing her breathing. It's
hearing Dad shouting format he garage... It's making sense of the
world. You have emerged into a kind of consciousness using only
sound. And then you're born. Sound affects us in a deeper way almost
than image does. It goes deeper. And yet, we're naturally, seemingly
oblivious to that.
人は生まれた時から何かしらのサウンド・エフェクトの影響を受けている。どうやら忘れているけれども... ややお堅い文章からこのドキュメンタリーは始まる。
People always talk about the look of a film. They don't so much
about the sound of a film. But it's equally important, something
more important.
エレファントマンの監督デビット・リンチが映画のショッパナから、一般の映画に対してのサウンドという映画の大切なものを示唆している。
What strike me most about, especially the opening of
"Private Ryan",
is that was designed to use sound to tell a part of the story it's
showing you. So a scene like that fully takes advantage of how a
soldier takes in war, which is a pretty narrow point of view. Sound
got to handle the scale of it.
オープニングのたった25分ほどのシーンに音響効果のバランスをとるために何週間も何週間もかけることになったと... スピルバーグ監督
The Beatles, in particular, were testing the boundaries of the
medium. And the song "Revolution 9". musique concrete.
We brought that sensibility to cinema, and thought, "Why
can't movies be in stereo?"
40年代後半にフランスで生まれたミュジーク・コンクレート... それをさらに進歩させたオノ・ヨーコの発想からと伝え聞くジョン・レノンの曲 ”Revolution 9” ... その曲が当時の次世代のドルビー・サウンドへの発想の架け橋となっている。 このエピソードが個人的には予想外で映画の中でも印象に残るものとなっている。あのナンバー・9がという驚きも含めて...
この映画は、ご丁寧にもサイレントから始まり、1927年の初トーキー映画「ジャズ・シンガー」の興奮を経て、現代映画に至るまで歴史的時系列に順序良くサウンド・エフェクトを紹介し、歴史的に有名な映画のエフェクトの裏話と映画のワンシーンを絡めながら視覚的に分かり易く説明し、当時実際に関わった方々の生の声とハリウッドを代表する監督たちのその当時のエピソードも織り交ぜながら映画とサウンドの関わり方を描いている。
We didn't wanna follow the conventions of science fiction that were
current at the time which was things like "Forbidden Planet" or "War
of the World", using electronic music technology.
"We didn't use synthesizers or anything like that.
We used real sound effects."
ある意味、ジョージ・ルーカスという映画製作者のポリシーを垣間見ることができた、稀なシーン。
チューイの声の制作のエピソードは手作り感をアピールどころか努力の結晶であり、R2D2の口のないロボットにどのようにC3-POとの会話をどうやって成立させるか？ なんて考えたこともない現場のエフェクト・製作者たちの意外な発想。
Foley is a subset of sound effect. We're called Foley artists. And truly
what we do is custom sound effects.
「映画製作の歴史と技術に興味がある人のための実質的に完璧な入門書。 補足的な研究のための十分な余地を残しながら、関連する基本的な質問のほとんどに答えている。」(THE WRAP2019.10.25付け記事より)
The film did run in this 6-track surround format. And as things have
evolved over the next 30, 40 years, that format is now the ground
standard of how you mix a film.
最後は映画のワンカットとサウンドの融合したシーンの数々で締めくくられる。まだまだ見たい余韻を残して...
"I just couldn't believe I was getting paid real money
to have so much fun."なんて発言も分かる気がする一本のドキュメンタリーを超えた映画。インタビューにコメントする方たち技術者の一連に共通することは、苦労話なのに何故か、子供が欲しいおもちゃを初めて受け取った時と同じように皆さん笑顔で答えていた。
子供の頃に回帰できるタイムマシーン映画。