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僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46評論(2)
私がこの作品に興味を持ったのは、平手友梨奈というキーワードをあまりに多く目にする機会があったためです。
「やらせ疑惑」などのマイナス報道から、「欅坂46の絶対的なセンター」というポジティブな報道など、何が本当で何が嘘か判断できない状況にありました。
そこで、その答えを見つけるために本作を見てみました。
まさに、本作のタイトル通りの「僕たちの嘘と真実」を探しに。
そもそも「欅坂46の絶対的なセンター」という言葉すら、私は理解できていなかったのです。それは、他のアイドルグループなどを見ていても、「センター」というのは形だけのような気がしていて、そこまで重要なものなのか?と思っていたからです。
ただ、欅坂46というグループは独特で、「センター」というポジションに他のメンバーが合わせていく形態になっていったようで、結果的に「センター」を際立たせることで存在感を発揮しているグループだと知りました。
他のメンバーも自然と、センターを輝かせるために自分がいると割り切っていたのにも驚きました。
これは上手く作用すれば良いのですが、「センター」の重圧が凄く、一歩間違えれば崩壊しかねないほどの構造と言えると思います。
そこで、映画「響 HIBIKI」で主演を見事に演じた平手友梨奈は、どんな人物かを中心に眺めました。
最初は違和感を持つほど、ごくごく「普通の女の子」でした。
では、なぜそんな彼女が「響 HIBIKI」の主人公のように尖り、「やらせ報道」などが出るまでになっていったのか?
途中でドタキャンなど、本作には想像以上にリアルな現場が映し出されていました。
現場にいる大人から見ると「無責任では?」という視点さえ出て、その言葉を誘導しようとするスタッフもいます。果たして、他のメンバーはどのように思っていたのかは、彼女らの単独インタビューで確認してみてください。
一つだけ印象的なキーワードを挙げると、「感受性が強い」という言葉がありました。
確かに、「不協和音」や「黒い羊」など、入り込むと病みそうな曲が多いんですよね。
私は、本作を見ながらナタリー・ポートマン主演の「ブラック・スワン」という映画を思い出しました。
いずれにしても、死者などが出なかったことが一番良かったと思います。
様々な葛藤を抱えた彼女らが5年間全力で走り続けた軌跡がライブ映像も含めて見事に集約されていました。
新型コロナ騒動で一旦延期になりましたが、その期間も無駄にせずさらにブラッシュアップして完成形に近づけたメンバーやスタッフもよく頑張ったと思います。