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ディエゴ・マラドーナ 二つの顔評論(5)
ナポリ時代のマラドーナにスポットを当てたドキュメンタリー作品。
根っからの野球人という事もあってサッカーはW杯の時には海外の選手に熱中してみる程度である。
アラサー世代の僕にとってはマラドーナの現役時代は知らず名前とやはりあの神の手事件まぁその他諸々を浅く知っている程度である。
それでも2010年の代表監督の印象は強く、その際は彼の存在に魅了された。
この作品はドキュメンタリーではあるが、「今だから明かされる」的なインタビューやドラマがあるわけではなくあくまでナポリ時代の彼を懐古するようなシーンが連なる。当時の映像やインタビュー動画を連ねてまとめられている。
所々関係者のインタビュー音声もあるが、この作品のために録った新しい音声かは不明。関係者が出演してるわけではないのでおそらくそれも過去のものだと思われる。
前半はナポリ移籍当初の華々しい活躍している姿、ナポリのヒーローとして描かれ、後半はドラッグや女性関係でトラブルを起こした描写、そしてW杯でイタリアを下した辺りからヒール的存在へ移りゆく姿がえがれている。
この辺りの事件も特に追求するわけではなく当時の映像音声を連ねて纏められている。
リアルタイム世代ではなく、そしてサッカーにそこまで詳しいわけではない為それなりに新しく知る楽しさを味わうことはできたが、知らないが故に疑問に思う事も多々あるが決してそれらを追求していく作品ではないため心残りはある。
また上にも書いた通り何かこの作品で新たな事実を展開していくわけではない為そのような事を期待すると裏切られると思う。
マラドーナのファンでありリアルタイムの世代が懐古心を楽しむ作品のように思えた。
文句なしの作品です。
サッカーを知りたければ、
マラドーナを見たら大体分かります。
ってくらい。
そしてマラドーナは本当に神になりました。
Rest In Peace.
明日、プーマのスパイク買いに行こうっと。
残されたフィルムに刻まれた栄光と挫折、天国と地獄の紆余曲折は正にドラマチック。「サッカーは騙しのスポーツ」と自身が語るように、あの“神の手”も故意だったことをあっさりと認め、黒い交際も女性問題もなんのその。
こんなにも嫌われる要素を持ちながら、“マラドーナ教”なる教祖として崇めたてられる悪童。そりゃドキュメンタリーの被写体として追っかけるには面白すぎる。
ただ、ナポリ時代の7年間に特化しすぎて、彼の“今”にほとんど触れられていない構成は、やはり物足りなさを感じる。
マラドーナの代理人だった人物が80年代にカメラマン2人を雇って撮影したフッテージなど、500時間にも及ぶ未公開映像から選りすぐりの場面を編集。ゴール裏から神業を間近にとらえた迫力満点のシーンから、ガールフレンドとテニスに興じるリラックスした姿をとらえたオフショット、さらにはドラッグの影響をうかがわせるうつろな表情まで収められ、本人の協力を得ながらよくぞここまで踏み込んだと感心した。マフィアとの交友や薬物使用などのダークな部分は反面教師として受け止められるべきとはいえ、やはり悲しいものがある。
サッカーのことは何も知らないけれど面白かった。そもそもは映画です。ソレンティーノ監督の「グランドフィナーレ」で、すっごく太った「マラドーナ」が居て、登場人物の一人が彼に「あなたのことは世界中の人が知っていますよ」という箇所があった。私は知らない!私は「世界中の人」に入ってないのか!とショックを覚えたので、今回の映画でディエゴ・マラドーナを少しだけでも知ることができました。60歳で亡くなるなんて早過ぎる。