「ストロベリーショートケイクス」「風たちの午後」の矢崎仁司監督が1992年に手がけた長編第2作。ベルギー王室主催ルイス・ブニュエル「黄金時代」賞を受賞するなど世界各地の映画祭で話題を呼び、日本でも熱い支持を集めた。兄に思いを寄せ、いつか彼の恋人になりたいと願う妹。ある日、兄が記憶喪失になる。妹は兄に、自分は恋人だと偽って病院から連れ出し、取り壊し間近のアパートで一緒に暮らし始めるが……。兄役に「ガキ帝国」の趙方豪。映画監督の石井岳龍、長崎俊一、山本政志が友情出演。2021年2月、デジタルリマスター版をリバイバル公開。
三月のライオン評論(4)
10年ほど前のリバイバル上映を
何処かの劇場にて鑑賞したのだったと思います。
いま観直しても当時のようには
感じられないだろうと思うのですが
(わたしが変わってしまった為に)
観ました。
という記録の為に書いています。
忘れないのは
その時分に歩いた
とある沿線の
とある住宅地の
とある庭木。
わたしが本作を再び観ることは
ないだろうと思うけれど
上記の旅情のようなものは
本作と結びついて失くならない
わたしの記憶のひとつです。
妹の兄への想い、それに呼応する兄の心。
今後、決して大っぴらに語られない、語ることのできない二人の関係は、転落の匂いに満ちている。
悪くないです。…が、ちょっと長いな、と感じました。
兄と妹としての姿はほぼ描かれず台詞も最小限なため、映し出される二人の時間はどこかふわふわと夢の中の様な空気感。
その中で響く建物解体の音が影を落とし切なさ儚さを漂わせる。
雰囲気を味わう映画かな。良くも悪くも。
表情も仕草も 物足りない
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