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やくざ戦争 日本の首領評論(3)
その中でもやはり、かつての松竹の看板スターだった佐分利信の朴訥で重厚な演技がカリスマ性をあふれさせ、同時に全国制覇を狙う日本最大の暗黒ファミリーの組長としての大物感も漂わせていた。
だが、組長とその家族との葛藤を描いたサイドストーリーが、テレビのホームドラマの範疇を出ていなかったのがとても残念だ。
「日本の首領(ドン)」三部作第1部。
DVDで鑑賞。
東映やくざ映画の集大成として製作された日本版「ゴッドファーザー」。
組織のトップに君臨する男は子供たちとの関係に悩むひとりの父親だった…。
政財界など日本を牛耳る者たちと繋がり、磐石な体制を築き上げた男が直面する組織の危機と大規模な抗争事件が描かれました。
“ファミリーの絆”を武器に、ときには非情な手段と決断で組織を守ろうとする男の苦悩と老獪さを、佐分利信が堂々と演じているなと思いました。
しかし、ドンの側面と父親の側面を描こうとしたためにどっち付かず感が否めず、実録路線が放っていたギラギラとした牙が削ぎ落とされたようで何とも物足りなさを感じました。
「ゴッドファーザー」を観たことがないので比較のしようがありませんが、もしかすると遠く及ばない出来なのではないかなと思いました。
タイトルに“やくざ戦争”を冠したのも期待を過度に煽るようで、実際そこまでの迫力は無かったように思いましたし、いただけないなぁ、と…。
一度観て、DVDは売りました(笑)