WILL
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花と龍 青雲篇 愛憎篇 怒涛篇評論(2)
原作は映画にTVドラマと何度も映像化されている名作小説。
明治末期~昭和初期。北九州は若松の港を舞台に、一介のヤクザ者の沖仲士から九州一帯を治めた大親分にのし上がった金五郎と妻マン。
両親をモデルにした原作者の自伝的物語。
調べてみたら、エピソードや事件も史実通りが多いとか。凄まじ過ぎる…!
スタッフ/キャストはこの前作の『人生劇場』とほとんど同じ。
渡哲也、香山美子、竹脇無我、田宮二郎、倍賞美津子らのほとばしる熱演。
愛憎、情念、情感たっぷり、お馴染みの職人ぶりも含め、加藤イズム。
『人生劇場』に続く、加藤監督の松竹任侠大作。
昨年から時間があったら大分前にWOWOWで撮り溜めしていた加藤監督作品をちょいちょい見ていて、なかなかその虜に。
勿論本作も悪くなく見応えはあったが、でもこれまでの中ではあまり今一つだったかなぁ…。
加藤監督は任侠映画の名匠だが、今回はかなりのド直球コテコテ。
それが全てではなく、大河ドラマであり、壮大な家族のドラマ。ちょっと趣旨が違うかもしれないが、例えるなら、近代日本もしくは加藤版『ゴッドファーザー』のような。
しかしながら、『人生劇場』の時のようにエピソードや登場人物の多さでこんがらがり。
いや、もっと正直言うと、自分がただこの手の世界が時々不得意なだけ。悪しからず。
玉井金五郎は渡哲也、妻のマンは香山美子、栗田の銀五は田宮二郎、蝶々牡丹のお京は倍賞美津子、その他豪華俳優が名前を連ねる。
前半は快調だが後半、金五郎の息子(竹脇無我)が登場してからは軽くなった。
それにしても香山美子は吉永小百合に似ているなぁ。