パリの南西約 200キロの小都市ル・マンで開催される世界最大のカー・レースとして有名な“ル・マン24時間レース”を背景に“栄光”にすべてを注ぎ、スピードの極限に挑む男たちの壮烈なドラマ。製作はジャック・レディッシュ、監督はTV出身の新人リー・H・カッツィン、脚本はハリー・クライナー、撮影はロバート・ハウザーとルネ・ギッサール・ジュニアが各々担当。出演はスティーヴ・マックィーン、ジークフリート・ラウヒ、エルガ・アンデルセン、ロナルド・ライヒフント、リュック・メレンダ、そのほかレースの場面には38回ル・マン優勝者のリチャード・アットウッドなど十数人のプロ・レーサーが特別出演している。この映画に使われたレーシング・マシンは24台である。
栄光のル・マン評論(6)
映画館で鑑賞出来た人が羨ましい
ストーリー: 60
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 80
ルマン24時間レースを舞台にしたドキュメンタリー調の映画。あまりに自動車レースに焦点を当てているため、普通に映画を見たいと思っている人、特にレースに興味を持っていない人にはつまらないかもしれない。レース狂いなマックイーンによる趣味の映画で、登場人物が喋るシーンはほとんどなく、レースをすること自体が物語。私はレース好きなのでこれでも楽しめましたが、一般受けするものではないのではないか。
展開があっけなくドラマ性に掛ける面もあるが、余計なものがないというのは強い。レースの純度が高い映画。
うるさいエンジンの音がすばらしい。ビンテージコンプレッションを掛けたディストーションギターサウンドとでもいうか、デジタルでは再現が難しいマジックを感じてしまう。
本作の監督を途中降板したジョン・スタージェスの「途方もないジョーク、800万ドルをかけたマックイーンのホームムービー」というのは言い過ぎだ
覚悟した以上にドラマがある
観終わった後の印象は甘いものであるほどだ
確かに中盤は強烈な眠気に襲われた
剰りに単調なレースシーンが延々と続くのかとうんざりもした
しかし、後半のドライバー交代で食事に行くところから俄然面白くなってくる
事故が連続し、ゴールまで残り8分のコールがあってからのシーンは正に手に汗握る
ラストシーンの祝勝シーンはカタルシスが感じれる
そして見つめ合う主人公とヒロインのアップ
そこにはレースと共に何かが終わって何かが始まるドラマがあったことを確かに感じられるのだ
カメラの映像も映画としての味わいもブリットのそれに近いものがあった
乾いている
だけどもほんの少し潤いがあるのだ
確かに普通の映画とはいえない
案の定、本作はさんざんな興行成績だった
ヒットするためにはジョン・スタージェスの意図したような人間ドラマを主にレースを従にすべきだったのだろう
しかしそんな映画は山ほどある
本作は確かにもう少しやりようはあったろうが、これで良いのだと思う
世界の中で日本だけが本作がヒットしたという
大変誇らしいことだ
抑制が効きすぎているドラマをきちんと受け止める観客がいたのは日本だけだったのだ
俯瞰でレースや全体を描いている感じがあって、誰かに感情移入することができず、ドラマが薄かった。レース場面は迫力はあるのだが、同じような場面が続くので単調で眠くなった。
ポルシェとフェラーリのレーサーのスーツがどっちも白で、どっちがどっちか分かりにくい。実際そうだったのかもしれないが、色を変えて欲しい。
また、車の特性やドライバーの特性が何一つ語られず、強さや速さのロジックもなかった。
ただ、画面は本物感たっぷりで豪華だった。