ヨーロッパが世界に誇る文明を享受していた今世紀初頭のパリを舞台に、十五年という歳月にわたって再会と別離を遍歴するイギリス人姉妹とフランス青年の愛と苦悩を描く。原作は、「突然炎のごとく」の原作となった『ジュールとジム』を書いたアンリ・ピエール・ロシェのベストセラー小説『二人の英国女性と大陸』。ロシェは生涯にこの二作品しか残さなかった。なお、“大陸”とは、英国人である姉妹がフランス人の主人公を呼び親しんだ愛称に由来する。監督は「野生の少年」のフランソワ・トリュフォー、脚本・台詞は「突然炎のごとく」でコンビを組んだトリュフォーとジャン・クリュオーが共同執筆。撮影はネストール・アルメンドロス、音楽はジョルジュ・ドルリューが各々担当。出演はジャン・ピエール・レオー、キカ・マーカム、ステイシー・テンデター、シルヴィア・マリオット、フィリップ・レオタール、マリー・マンサールなど。後に20分以上のカットシーンをトリュフォー監督自身により復元した完全版が製作されている。
恋のエチュード評論(1)
淡い恋のつもりが姉アンと愛人関係となる。最初彼女は妹とクロードをくっつけたかったのだ。時が過ぎれば大人の恋に変わる。悔やまれる恋。簡単に肉体の恋を結んでしまう方に傾くのも頷けるのですが、やはり純粋な恋を貫いたほうがよかったのだろう・・・
物語は淡々と私小説を描いているだけなので、感情移入などできない。最後にはアンも病死するのにミュリエルがクロードの求婚を断った理由が人種・文化の違い。やはりトリュフォー作品は苦手だ。良かったのはアン(キカ・マーカム)のヌードだけ。腋毛も自然で美しい。