ニューヨークに住む3人の中年男チームが、コロラド州でカウボーイ体験ツアーを通して新しい自分を発見していく過程を描く人間ドラマ。監督は「トレマーズ」のロン・アンダーウッドで、これが第2作。製作は「敵、ある愛の物語」のアービー・スミス、エグゼクティヴ・プロデューサーは主演も兼ねるビリー・クリスタル、脚本は「バックマン家の人々」のコンビ、ローウェル・ガンツとババルー・マンデル、撮影は「ダンス・ウィズ・ウルブズ」のディーン・セムラー、音楽は「ミザリー」のマーク・シャイマンが担当。なお、老カウボーイを演じるジャック・パランスが、本年度アカデミー助演男優賞を受賞。
シティ・スリッカーズ評論(1)
プロットは旅行や冒険好き、腐れ縁の3人のおじさんたちが俄かカウボーイ体験ツワーでリブートする、おじさん成長物語です。
アラフォーの冴えない中年男性トリオの三馬鹿コメディのようで人生訓のような大事なことを押しつけがましく無くフアーっと教えてくれる驚きの良作でした。
「人生で大切なことはたったひとつ・・」と大真面目に語ったら引いてしまうようなことを、どさくさに紛れて心に注入してしまう老カウボーイ(ジャック・パランス)、流石に出てくるだけで貫禄が違います。当初イーストウッドに当たったがギャラで折り合わなかったとか、ジャックは脚本が気に入って別の映画を断って出演したと言う熱の入りよう、ジャック・パランスさんで大正解でしょう。
動物ものには弱いので子牛のノーマンにはやられました、河を渡るときになかなか姿を見せないので放置かと気になっていたら気持たせの後の大騒動、絶対連れて帰ると思っていたが出し惜しみするので気が揉めた。何より感心したのは主人公で製作総指揮までこなしたビリー・クリスタル、IMDbのトリビアでは実際に映画に使った子牛6頭を自身で買い取ったそうだし、乗っていたお馬さんビーチナットも河に落としたり酷使した罪滅ぼしなのか買い取ったそうで、続編にも出ているらしい。中年親父の下ネタ交じりの戯言も多く子供たちには勧められないのが残念だが林間学校さながらの大自然回帰体験は都会生活の煩雑さ、頭でっかちで見失った人間の原点に気付かせてくれることは間違いないでしょう。西部劇ファンには懐かしいパロディも織り込んで、良薬口に苦しといいますがこんなオブラート処方があったとは恐れ入りました。