腕は超一流ながら優柔不断な性格のヒットマンが仲間の裏切りで絶体絶命のピンチに陥る顛末を描いたアクション・コメディ。監督は「新ポリス・ストーリー」「野獣特捜隊」などハードな香港アクションで知られるカーク・ウォンで、彼のハリウッド進出第1作。製作総指揮は「フェイス/オフ」「リプレイスメント・キラー」のジョン・ウーとテレンス・チャン、「グース」のジョン・M・エッカート。製作は「ホワイトハウスの陰謀」の俳優ウェズリー・スナイプスとウォーレン・サイド。脚本は本作がデビューとなる新鋭のベン・ラムジィ。撮影はダニー・ノワク。音楽は「ルル・オン・ザ・ブリッジ」のグレアム・レヴェルがスコアをつとめ、音楽監修をピラー・マッカリィが担当。美術はターヴォ・スーダー。編集はロビン・ラッセル(TV『新トワイライトゾーン』)とピエトロ・スカリア(「JFK」)。衣裳は『ボディ・スナッチャーズ』のマーガレット・M・モーア。出演は「ブギーナイツ」のマーク・ウォルバーグ、「レネゲイズ」のルー・ダイアモンド・フィリップス、モデル出身で本作がデビューとなるチャイナ・チャウ、「グリッドロック」のボキーム・ウッドバイン、TV『メルローズ・プレイス』のアントニオ・サバトー・Jr.、「愛と哀しみの旅路」のサブ・シモノほか。
ビッグ・ヒット評論(3)
もう何度観てるか判らないし、アチラコチラに色々書き散らした気もするが、CSにて放映していたので鑑賞。スプラスティックであり乍ら、爆破シーンや暗殺シーン等、決める所はキッチリ決めたメリハリが効いたアクション・コメディ。壺が合致したのか、何かと笑えない洋画が多い中、存分に愉しめる稀少な一作。日本刀(サムライ・ブレード)にHARAKIRI、朱赤と金に縁取られた部屋と西洋人が思い描くエキゾチックでステロタイプな日本文化の描写はご愛嬌。大赤字を出したと云う『黄金のしぶき "Taste the Golden Spray"』を観てみたい。90/100点。
・少々諄い箇所もあるし細かい綻びも散見出来るが、テンポ自体を殺す程に悪くはなく、許容範囲内で気にならなかった。キャスト陣も好みの人が揃っている──何故か作品に恵まれない印象が附き纏う“シスコ”のL.D.フィリップスが好演し、コケティッシュで可愛いらしい“ケイコ・ニシ”を演じる一時期、K.リーヴスとロマンスのあったC.チャウ(周佳纳)、そして何より“メルビン〝メル〟・スマイリー”として今や飛ぶ鳥を落とす勢いのM.ウォールバーグの若かりし(少々青臭い)雄姿が堪能出来る。
・脚本を書いたB.ラムジーによると、“メルビン〝メル〟・スマイリー”は、M.ローレンスを想って作ったキャラクターだと云う、その後、この役はJ.スコット・リー(李截)にオファーされた後、最終的にM.ウォールバーグへと行った。同様にC.アップルゲイトが演じた“パム・シャルマン”は、そもそもD.メイザーへの当て書きであったらしい。
・誘拐された後、“ケイコ・ニシ”が今迄碌に料理した経験が無いと云うシーンがあるが、演じたC.チャウ(周佳纳)の実父は俳優であり、今や高級中華レストラン"Mr.Chow"のオーナーとして著名なM.チャウ(周英华)である。尚、彼女の母は、マイケルの二番目の妻であり、独系米人の父と日本人の母を持つ(“ティナ・ラッツ”名義で資生堂のCM等で我国でも活動していた)ファッションモデルT.チャウ(周天娜)である(マイケルと離婚後、'92年に41歳と云う若さでエイズにて鬼籍に入った)。
・延滞していた『キングコング2('86)』のビデオを借りていたレンタル店には、『悪魔のしたたり/ブラッドサッキング・フリークス('74)』、『エピタフ/死神ママ降臨('87)』、『ゾンビ・ハネムーン/大カマのえじき('87)』、『悪魔の毒々プラトーン('88)』、『カブキマン('90)』……等々、パッケージや展示されてるポスターの殆どは、本作と直接関係しない"Troma Entertainment"製作の物が圧倒的に多くを占めている。
マーク・ウォールバーグが優柔不断でお人好しの殺し屋を演じていましたが、なかなか良い雰囲気で、はまり役だったかと思います。
が、それ以上にルー・ダイヤモンド・フィリップスがいつも彼のイメージとは違うチャラチャラした悪役を演じていたのには驚かされました。
やっぱり役者さんて凄いですね。