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フェアリーテイル評論(1)
映画「フェアリーテイル」(チャールズ・スターリッジ監督)から。
事実を題材にした「第一次大戦下のイギリスを背景に、
少女達の純真無垢な心を描いたファンタジー」らしい。
「天使」と「妖精」の違いすらわからない私が、
最初にメモしたのは「天使は見えないわ、見守っているだけ」
そうか、上手い表現だな、と納得した。
さらに「(妖精に)僕の病気を治してって伝えて」と
重病に苦しむ少年が頼むと「妖精には病気は治せないわ」。
そんな「妖精」の定義がイメージを作り上げ、
妖精ってどんな存在なんだろうか?と私の好奇心は膨らんだ。
野次馬根性丸出しの大人を巻き込んでの「妖精存在説」は、
単純に「信じるか、信じないか」である気もする。
写真に映ったとされる「妖精」を信じない人たちは、
「大人は本当じゃない話は嫌いなの」と子どもを責め、
自分の目で見ない限り(見ても、信じないかも)否定する。
信じる人は「偽物の写真? だったら、証拠を見せてみろ」と
これまた、相手を論破することに夢中になる。
作品中、妖精たちが飛び回るシーンがあるが、
私は、日本人好みの「ホタルの乱舞」の光景を思い浮かべた。
日本人が、自然豊かな中でホタルを見つけ感傷に浸るのは、
それが亡くなった大切な人に重ね合わす事ができるからだろう。
トリック、イメージ操作、思い込み、そんな単語が浮かぶが、
ラストは、こんな会話で幕を閉じる。
「いい香りがする」「何もつけてないわ」「わかってる」
監督が言いたかったのは、これかもしれない。