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115分
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ルートヴィヒ 完全復元版評論(8)
「騎士伝説」を愛していながら、戦争に行かない王の苦悩は 我々には伝わり難い
映画はほとんど 室内劇の模様を呈するので(笑)
視覚的にも少々退屈する
外からの訪問者(エリザベート、神父、公爵、大佐など)の叱責と行動が 波紋を起こすのみ
後半 王が不安定になってから、ドラマ性もたかまり 結末へと突入する
「血の同盟」というが ヨーロッパでは上層部
(王や貴族)が 所詮、親戚縁者という意味であろうか
ビスコンティは この王に 血の近さ、血の濃さ、を感じたのだろう…
二人とも 女性よりも、美青年を好むのは(エリザベートは別格、監督にとってのシュナイダーもそう)
この血の濃さへの忌み、もあるのだろうと考える
(弟が錯乱するのは、戦争のせいだけではない… )
神々がたそがれる、訳である
王の嗜好で(監督も) 美男子、美青年が多々 配されている
この映画製作の時点では 男色ということを表現するのに限界があって(しかし、誰が見ても明らか… なのだが)暗示にとどまり、もう一つ 踏み込めなかったことが 前半の王の苦悩の伝わり難さの一因でもあるだろう
バーガーは この難役をよく頑張っている、後半から凄みが出て 感情移入も出来た
しかし、美男子揃いの俳優陣の中で 一番 輝いているのは、女性であるエリザベート役のシュナイダーであろう
得な役柄とはいえ、演技にもめりはりがあり、煌めくように美しい(思わず 目で追ってしまう!)
彼女の登場で 映画も締まり、女優としての成熟が感じられる
ドイツの歴史の知識がもっと有れば、 また違う見方も出来るかもしれないと思う
ちなみに かの国では、この王は「メルヘン王」と呼ばれているらしい
美男子のオンパレードなのも、お花畑を見てるみたい!
内容さえ良ければ(支持が得られれば)、この長さでも受け入れられるんですね。
国王ルートヴィヒの人生、本作で照射されているのは、社会的動物としての人間と自由についてなのではないか、と私は思いました。
自由とは何か、自由であることの代償は何か、そして、人は、観客であるあなたは、自由を希求しているか。
そんなことを考えながら観ていました。