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雨情 プロット 日本 03月20日 1957 上映
驟雨 プロット 日本 01月14日 1956 上映
氷雨 プロット 韓国 01月01日 1900 上映
雨のニューオリンズ プロット アメリカ 01月01日 1900 上映
雨の町 プロット 日本 03月25日 2006 上映
雨のアムステルダム プロット 日本 03月21日 1975 上映
ジャーマン+雨評論(4)
地方を舞台にした映画を見る時に、その土地にしかいなそうな馬鹿を観るのはとても楽しみな事で、このよしこのオリジナリティは素晴らしいと思う。
画面に焦燥が溢れんばかりの映画だと思う。それはよしこが常に何かに急かされたような佇まいなのと、わざわざ少し早送りする編集を入れているからなのだが、最初てっきりプレーヤーのバグかと思ってしまった笑
ふつう、早回しなんて編集使わないと思うのだが、この映画ではそのギミックがある空気を醸し出している。
青森の田舎の乾いた空気と地続きにあるよしこの焦燥そのものがこの映画を作り出しているかのようである。
これは“気になる点”などほとんどない映画が横行する昨今、凄いことではないだろうか? 簡単に言ってしまうと、「ジャーマン+雨」には、横浜聡子監督のオリジナリティがたっぷりと詰まっている。
そのオリジナリティはキャスティングにも遺憾なく発揮されていて、主人公のゴリ子を演じた野崎の存在感が凄過ぎる(まあ、予算の都合が最大の理由かもしれないが)。彼女が終盤歌う「ジャーマン+雨」は、近年稀に見る“映画的”な躍動感に溢れたシーンだったと思う。そのシーンだけでも見る価値があるのではないだろうか。
主人公はゴリラ顔の16歳・林よし子(野嵜好美)。性格も強引、わがままといいところなし。そして天涯孤独。両親の離婚により町を去っていたが、かっこいいドイツ人がいるという理由で植木職人見習いをするため町に戻ってきたのだ。小学生を集め笛教室も開き、人のトラウマを聞いて作曲するというヘンテコなミュージシャン。夢はCDデビューして、子供を10人生むことだという・・・。友人の上野まき(藤岡涼音)が3年前に妊娠したことがあると聞いてうらやましく思ってるようだ(なんちゅう設定だ・・・)。
その他にも個性豊かな出演者がいるのですが、素人の良さを十分に引き出していると思います。『そんな無茶な!』では全裸歌手も演じているし、山下敦弘監督の映画にも出演している俳優・野嵜好美が最も際立っていて、共感できないながらも、次はどんなことをするのかとわくわくさせられる。汲み取り式便所も伏線となって、最後に彼女のとった行動には唖然・・・
単なるおバカ映画かと思わせておいて、その物語の奥には体が不自由になった父親の存在が大きく横たわっていて、「死んでくれたら楽なのに」「いっそ自分が死んで逃げ出したい」などといった言葉に表れない林よし子の心理が浮かんでくるのです。トラウマというサブテーマに惑わされがちだけど、現実に抱えている悩みは人に打ち明けることもできないんだなぁ。介護問題を扱った映画は多いけれど、オバカというオブラートに包んでしまう横浜聡子監督の手腕には底知れぬパワーを感じてしまう。
もっと丁寧に作っていたならば、いい映画になっていただろうと思われる作品。さらに痛いのは小学生たちの笛の音が最後に煩わしくなってしまったことだろうか・・・。