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オードリー・ヘプバーン評論(6)
初の主演作で24歳にしてアカデミー賞主演女優賞を受賞し、その後の出演した映画でもトントン拍子で成功したイメージが強い。
しかし、本作では名声に隠された本当の姿が、貴重な映像とインタビューで明かされていく。
女優という面では、柔らかさの中に凛とした強いプロ意識があること。1人の女性として愛に真っ直ぐだったこと。普通の女性のようにコンプレックスを幾つか持っていたことなど、本作で初めて知ったことは、まだまだ多い。華奢と思える身体には、多くの努力と挫折があり、それらを吹き飛ばす信念がある。
見たことのないプライベートの写真でも、常に笑顔なのが印象的だったが、笑顔で何かを変えようとしているかのように優しい人間性が滲み出ていた。
親との関係や、2度の結婚と離婚の真相、ユニセフでの活動についても詳細に描かれている上に、最後は前向きに考える(勉強になる)ことができる作品なので、ファンでなくても見る価値は大きいはず。
彼女の愛を受け続けてきた息子をスクリーンで観られるというのも貴重。
ドキュメンタリーという枠を超えて、オードリーの心情をより感じられるよう、要所要所で彼女が目指していたバレリーナを「3人のオードリー」で演出されているなど監督の独創性も見られるのも良い。