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Blue Island 憂鬱之島評論(2)
面白いのは、3人の回想ドラマを演じるのが一般人で、中には19年の抗議デモに参加し逮捕・訴追された学生もいるという点。過去の歴史的出来事に若者として対峙した人物を、21世紀の出来事に関与した若者が演じるという劇中劇の多重構造を取りつつ、ジーウン監督はさらに、役者達に「問いかけ」を行う。香港人のアイデンティティを探求する監督の狙いがそこにある。
タイトルの『Blue Island 憂鬱之島』とは、自由の幅が狭まりつつある“憂鬱だらけの香港”という皮肉。ただ一方、“憂鬱”を表すBlue=青という色は、香港を取り囲む海の色であり、“信頼、誠実、開放感”という意味もある。
しかしながら本作は、そんな憂鬱と開放が同居する香港では上映不可となっている。憂鬱が勝つか開放が勝つか、それが問題だ。