名優トム・ハンクスが町一番の嫌われ者の男を演じ、孤独だった男が隣人一家との触れ合いを通して再生していく姿を描いたヒューマンドラマ。町の嫌われ者でいつもご機嫌斜めなオットー。曲がったことが許せない彼は、近所を毎日パトロールしてはルールを守らない人に説教を垂れ、挨拶をされても仏頂面で、野良猫には八つ当たりをするなど、面倒で近寄り難い存在だった。しかし、そんなオットーも人知れず孤独を抱えている。最愛の妻に先立たれ、仕事も失った彼は、自らの人生を終わらせようとしていた。ところが、向かいの家に越してきた陽気な女性マリソルとその家族が、なにかと邪魔をして、死のうと思っても死ぬことができない。しかし、そんな迷惑なはずの一家の出現が、彼の人生を変えてくことになる。スウェーデン発のベストセラー小説を映画化し、第89回アカデミー外国語映画賞ノミネートされた「幸せなひとりぼっち」を、ハンクスの主演・製作でリメイク。「プーと大人になった僕」のマーク・フォースターがメガホンをとり、「ネバーランド」「ライフ・オブ・パイ
トラと漂流した227日」のデビッド・マギーが脚本を担当した。
オットーという男評論(12)
自暴自棄になっている男のストーリー
正義感が強く
曲がったことが許せない故に
周囲との軋轢を生み
ギクシャクした生活を送っている
そこに現れた
自由奔放なファミリー
本作は
このファミリーや
その他ご近所さん等々との交流を通じ
主人公のトムハンクスが軟化していく物語
です
全体的にとても
静かで穏やかな映画です
トムハンクスが
様々な策を講じて
妻のそばに行こうとしますが
それも淡々と行われ
激しいシーンは特にありません
しかしながら
トムハンクス演じる主人公
そして
ご近所ファミリーのママ
の心はとても熱いです
本作品を鑑賞し
胸が熱くなり
心を動かされるのは
このギャップ故でしょうか?
ネット社会となり
人と人との関わりが希薄な現代において
本当に必要なものは何か?
そんなことを
教えてくれた映画でした
思いつくままに挙げると、『グラン・トリノ』(2008年)のクリント・イーストウッド。『ヴィンセントが教えてくれたこと』(2014年)のビル・マーレイ。ケン・ローチ監督が2度目のカンヌ・パルムドール受賞の『わたしは、ダニエル・ブレイク』(2016年)。
本作は、2015年にフレドリック・バックマンのベストセラー小説をスウェーデンで映画化し、大ヒットした『幸せなひとりぼっち』のハリウッド版だ。
主役はトム・ハンクス、なるほど。泣かせる人情ものとして、しっかりした幹がある。原作の勝利でもあるだろうが、ハリウッドが大好きな「イマドキの社会矛盾やdiscrimination」を散りばめて2020年代の物語として構成されている。
主人公の生年が1955年!なことに、いささか心が動揺する。