「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」の荻上直子が監督・脚本を手がけ、震災、老々介護、新興宗教、障害者差別といった現代社会が抱える問題に次々と翻弄される家族の姿を描いた人間ドラマ。須藤依子は「緑命会」という新興宗教を信仰し、祈りと勉強会に励みながら心穏やかな日々を過ごしていた。そんなある日、十数年前に失踪した夫・修が突然帰ってくる。自分の父の介護を依子に押しつけたままいなくなった修は、がんになったので治療費を援助してほしいという。さらに息子・拓哉は障害のある恋人を結婚相手として連れ帰り、パート先では理不尽な客に罵倒されるなど、自分ではどうしようもない苦難が次々と依子に降りかかる。湧きあがってくる黒い感情を、宗教にすがることで必死に押さえつけようとする依子だったが……。主人公・依子を筒井真理子、夫・修を光石研、息子・拓哉を磯村勇斗が演じた。
波紋評論(16)
映画 #波紋 (2022年)鑑賞
主演の #筒井真理子 さんが凄い
この一言に尽きる映画です
ホンワカした脇役のイメージが強い女優さんですが、エルピスでの眞栄田郷敦のお母さん役で注目度が上がってました
脇を固める俳優陣もシブかっこいい
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました
主人公・依子は中盤までずっと切羽詰まった表情をしており、もしかしたらサスペンス展開になるのでは、とハラハラさせられるほどだった。家族が離散しているところからスタートする物語で、ストーリーが進み依子以外の視点が増えると、離散する前の依子の家族もそのハラハラ感を味わっていたのかも知れないと思わされる。
依子の苦難から始まる物語だが、ストーリーが進むにつれ他の登場人物の苦難も示唆され、群像劇のテイストも感じられる構成だった。
タイトル通り、「波紋」の描写が多く登場する。実際の水による波紋、疑似的な水である枯山水が表現する波紋、それらを使って登場人物の心中を表すのは定番の表現手法かも知れないが、映像でこそできる表現で、そこに贅沢なくらい大胆に時間を使う点に、こだわりが窺える。
食卓の一品を通して彼らが元は一つの家族であったということを示すシーンや、人と人との繋がりにより生きづらさから脱出するストーリーには、荻上監督らしいものを感じた。
先に書いたハラハラ感と言い、ブラックユーモアをゾクリとするスリルにまで昇華させてしまう、依子役・筒井真理子さんの発する緊張感に翻弄された。
ドロドロの宗教もので破綻していく家族の物語…を想像していたら、ブラックユーモアな楽しい映画でした。
前半は主人公の台詞のないイライラが手に取るようにわかり(筒井さんの表情が最高)、後半からはユーモアを交えながら小さな反撃へ。客席で笑いが起きるシーンも複数あり。
これまでの荻上監督作品のような空気感や美味しそうな料理達はなく、ティーチインで「自分の良い人そうで料理好きそうなイメージを壊したかった。自分の嫌な部分を表現したら作りながら楽しかった」的なことを仰っていた。
モブキャラな豪華出演者は言わずもがな皆上手くて映画を盛り上げてくれていた。
序盤から効果的に使われていた「音」がラストにこう繋がるとは!
決して愉快な話ではありませんが、一捻りある作品好きな人には刺さるかもしれません!
『原発』『介護』『宗教』『貧困』『障害者差別』『病気』いろいろな要素が詰まっていて、決して楽しい話題ではないのに、所々で笑いを誘う。
顔を見るのも存在も鬱陶しかった旦那の突然失踪→病気になったらひょっこり帰ってきた旦那をきたなーいものを見る目で接している主人公の優しさと憎悪と心の葛藤、ささやかな復讐が見所です!(最後はお前の所でな!とか言ってたけど、遺産金での治療目的と介護要員じゃん💢まじ迷惑💢野垂れ○ね💢と思った女性は多かったはず🤣)
共感を持ちつつ、自分ならもっと徹底的やるだろうな…と観る人によって振り幅が広いけど、LASTはスッキリ!
#人を呪わば穴二つ#肉を切らせて骨を断つ
#自分ならどちら派?