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ハッピー・バースデー 家族のいる時間評論(1)
フランス映画祭2020横浜にて鑑賞。
訳あり一家を描いたまるでドキュメンタリー映画の様な作品であった。
カトリーヌドヌーブ演じるアンドレアの誕生日パーティーをきっかけに子供たち3人が母の元に集まるが、
長女は精神疾患を抱えており娘とも別々に暮らしている。
次男は一定の年齢をむかえてるがいまだ映画監督として花開くことはなく、薬中そして安定した経済力がなくこらまた問題を抱えている。
まともな長男だが、そんな彼らの姿を必要以上に強く当たり時には非難したりする。
そんな子供たちを抱えるアンドレアはどことなく真剣に彼らをなんとかしようとしてるようには見えず。
優しさや後回しでなんとか事を乗り越えようとしているように見える。これがこの普通と異なる家庭環境のカオスな状況を生み出してるのであろう。
誕生日という幸せな一日でも各々が抱えてる問題を「家族」という安心した空間にいる事で各々の未熟さ大人になりきれない子供の部分を果敢なく発揮し、
カトリーヌもまたなんとか事を真剣に更生させようとせず流す様に身を任せるあたり妙にリアルさを感じる。普通な姿ではないだけに没入すればするほど観ていて疲れはするが、どこかこの家族を見捨てられない気持ちも生まれる。
家族がぶつかり合うシーンが多い為自然と荒げたシーンも多いが、コメディシーンもまた多々あるのでストレスなく鑑賞できる。
この家族は極端な問題を抱えてるが大なり小なり家族というのは各々問題は抱えているものだ。
問題と向き合う事も大切だが、必要以上に己を否定する事なくこの家族の様に流れにまかせて時間をかけて解決
するのも一つの家族の在り方なのかもしれない。