雄大なモンタナの大自然を舞台に、傷ついた少女と馬の癒しと再生、男と女の切ない愛の交わりを、美しい映像で綴っていくドラマ。監督・製作・主演はハリウッドを代表する名優ロバート・レッドフォード。「クイズ・ショウ」に続き、これが監督第5作目となる。共同製作はパトリック・マーキー。製作総指揮はレイチェル・フェファー。脚本は「ポストマン」のエリック・ロスと、「フィッシャー・キング」「マディソン郡の橋」のリチャード・ラグラヴェニーズ。原作はニコラス・エヴァンスのベストセラー小説。撮影はオリヴァー・ストーン作品で知られるロバート・リチャードソン。音楽は「ショーシャンクの空に」のトーマス・ニューマン。美術はジョン・ハットマン。編集はトム・ロルフ。衣裳はジュディ・L・ラスキン。共演は「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマス、「ホーム・アローン3」のスカーレット・ヨハンソン、「スノーホワイト」のサム・ニール、「バードケージ」のダイアン・ウィースト、「大いなる遺産」のクリス・クーパーほか。98年キネマ旬報ベスト・テン第9位。
モンタナの風に抱かれて評論(6)
と、いうかこれで映画をすきなった時代だ。
たぶん、「ビジネス」じゃなくて「映画がすき」だから作られた最後の映画の時代なのかも。
当時のすきな監督だったロバート・レッドフォード。
の、いちばんすきな映画。
余談をいえば、これで馬肉を食べるのをやめた(笑)。
おなじように、牛肉も。
どっちも「かわいい」
総合:75点
ストーリー: 75
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 75
音楽: 75
レッドフォード作品なので、美しい自然を背景にした自然賛美と自分の男前度を前面に出した美しく撮影されただけの映画だったら嫌だと警戒しつつ見たのだが、思ったよりも良かった。
事故で心身ともに深く傷ついた娘と、仕事に追われながらも娘を心配する母親。かつては娘の生活の一部であった愛馬を取り戻すために決断したモンタナ行き。馬は娘の生活の本当に大きな部分を占めていた。彼女の傷だけでなく、事故でその馬も心身を激しく傷つけていた。それは彼女に辛い思い出に直面させることを強要する。友人を失い足を失いかつての栄光の愛馬を失った彼女には、これからに向かって心の治療と生きる希望が必要だった。
難しいと思われていた馬の治療が進展を見せ、日常を離れたのどかな環境でそれを見た娘も心の痛みを告白して傷を癒すことが出来た。母は多忙な仕事をしばし離れて、本来の目的である馬と娘の治療以外にも得るものがあった。田舎の美しい自然が都会よりいいと必ずしも主張しているわけではないのも評価できる。あくまで自然の美しさはおまけで、馬と娘の治療する場所が美しかっただけという扱い。
最後は結局かっこいい爽やかレッドフォードが出てくるのかよと思ったが、でしゃばり過ぎなかったので安っぽく物語の主題が崩れる前に踏みとどまってくれた。
馬は群れで生きる生き物。1頭飼いすると呆れるほど人間にベタベタに甘えるんですよ。
すり寄ってきて離れません。
袖口を噛んでついて回ります。ブラッシングを求めているのです。
毎朝出勤しようとすると「一緒に連れてってちょうだ~い!」と大騒ぎ。
あぐらをかいて本を読んでいるとマジでネコのように膝に乗ってこようとします(汗)
邪魔なので押し返すと足元で横になってイビキをかいて寝るので僕は馬に寄りかかって読書継続。
(馬って立って寝るんじゃなかったですけ?)。
話には聞いていましたが、馬がここまで人間の友だちになり、“癒しのバティー”になってくれるとは驚きでしたね。
だからよーくわかります、
映画で「馬ロス」でヨハンソンがああなってしまうこと。
そして人間嫌いのレッドフォードこそ、馬=友人がいなくては生きられなかった人なんだろうなってこと。
馬の映画はたくさんありますが、どれも馬好きの作者によるものですね。