ロナルド・M・コーエンの原案を、彼とミード・ロバーツが脚色、「ジョージー・ガール」のシルビオ・ナリッツァーノが監督した西部劇アクションで「ベン・ハー(1959)」のヤキマ・カナットがアクション・シーンを担当している。撮影はスタンリー・コテルス、音楽は「日曜日はダメよ」のマノス・ハジダキスが担当した。出演は「遥か群衆を離れて」のテレンス・スタンプ、「007/カジノ・ロワイヤル」のジョアンナ・ペティット、「ホテル」のカール・マルデン、「追いつめて殺せ!」のリカルド・モンタルバン、「アメリカ
アメリカ」のスタチス・ヒアレリスほか。製作はジャッド・バーナードとアーウィン・ウィンクラー。
血と怒りの河評論(1)
冒頭、メキシコ人の盗賊団がフランス軍(警察?)を襲撃、まるでマカロニウェスタンのようなシーンだが、倒れた人の赤い服、白い建物、青空、これらの色彩がとても鮮やかなまるでアートのように感じた。
青空や夕焼けに浮かび上がる影のような美しい風景のシーンも入るのも印象深かった。
しかし、この映画で最も印象深いのは主人公・・・メキシコ人に育てられたアメリカ人の青年「アズール」の複雑な立場
結局どっちに行っても「お前は違う人間だ」と言うような目で見られているところに感情移入してしまう・・・
半ば冷酷に決戦の準備を住民に強いたり、かつての仲間や家族を撃つが、襲われそうな女性を助けたり、首領の死に際、メキシコ側で死にたいという望みを聞き抱き上げるなど、冷たさと暖かさ・・・人間の二面性を垣間見た。