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タレンタイム 優しい歌評論(20)
我々が人と何かを伝え交わす時に、言葉で伝えきれないと感じることがあると思う。
それは適切な言葉が見当たらないという限界かもしれないし、言葉などで全てを掬い上げられないという抑えきれない何かがそこにあるからかもしれない。
どんな理由であっても、この物語の彼ら彼女らは若くしてそのことを皆知っているし、嫌でも知ることとなるプロセスを、家族や友人や先生のような親しい立場の視点からそっと見させてもらっているような映画だと思う。
よくよく考えたら、この物語の彼ら彼女らはなかなかにハードな状況ではないだろうか。
身内を殺されたり、病気で余命残り僅かな母親の最後の願いを汲んで敢えて会いに行かなかったり、突如訪れた最期は看取ったり、恋人と宗教の違いや悲しい過去によって引き裂かれたり、引き裂かれようとしていたり…
特にマレーシアという国がこんなにも多民族国家なのだということを初めて知ったし、日本だと考えられないような民族・宗教の違いによる諍いが身近に普通に存在することにまず驚いてしまった。
それ故に引き起こされるいくつかの悲劇や過去を、当事者たちが新しい時代へとどう乗り越えていくかというのも1つのテーマだったんだろうなと。
話を戻すと、マヘシュとムルーの恋がそのまなざしや控えめに触れようとする手の軌跡や、そういった細やかなもので充分にスクリーンから伝わるだけで胸がいっぱいになるし、ムルーの歌で恋に落ちた瞬間も彼女の想いも溢れているのが解るし、それを遠くからマヘシュとハフィドが聴いてるのが良い。
マヘシュはその気持ちを言葉にはできないけれど、彼女に接する姿から大切に想っていることがよくわかる。
ハフィドは母の看病もしながら、勉強もできて、ギターも歌も上手くて、完璧すぎるから…人の気持ちまで分かりすぎてしまうから、身を引いてしまうところがあるんだろう。彼はこの先1人でもやっていけるとは思うけど、どうかもう少しだけ自分のためだけに生きて欲しいようにも思う。
そして、母を喪った日にタレンタイムに臨んだハフィドの傍らで、カーホウが静かに二胡を弾くシーンで涙腺が崩壊してしまった。
予告にあったあの音楽が、まさかこんな意味を持っていたなんて。
彼は彼でつらい境遇があって、ハフィドを疎ましく思わざるを得ないのもわかる。だからこそ、ハフィドの状況を知って、そっと無言のうちに二胡の調べで寄り添う。まさに言葉ではなし得ないこと。本当の想いがそこに溢れていた。
映画の始まりで、タレンタイムを行う教室の電気が付き、それが消されることで映画の幕が引かれるのも素晴らしい。静かなさじ加減が絶妙な名作。
辛すぎる…何度でも見たい映画です。
登場人物みんな色々事情や悩みを抱えているけど、みんないい人いい子達でみんな幸せになってほしい。
サントラも欲しい…どこに売ってるんでしょうか…。
館内が蒸すほど暖かく暖房効いてたのもあり、大分寝落ちしてしまった~
そして長回しのシーンなんかも多かった?のかボンヤリしてしまうと余計ですね。
ちょっと寝すぎでストーリーしっかり掴んでませんが、最後のタレンタイムの弾き語り部分よかったです。
評判通りの大傑作でした!
青春群像劇というフォーマットで、わかりやすい感動が味わえるポップさがめちゃめちゃある作品ですが、ヤスミン師匠の代表作らしく、安っぽい感動ではなく、かなり深いところが動かされました。
ヤスミン師匠のガーエーを観ると、優しく包まれるような、受容されるような安らぎを感じます。
それは、登場人物たちが家族に受容されてきたからではないか、と仮説を立てております。家族の愛情描写が多く、主人公たちはそれをベースに試練に立ち向かい、障壁を乗り越えていきます。たとえ別離があっても、愛情を受けてきたから真正面から受け止められる。
つまり、主人公たちは愛情を受けることで、自分の気持ちに正直になる勇気を得て成長します。やがて彼らは愛を与える側になっていくのでしょう。そして愛を受け取った者たちがまた障壁を乗り越えて行く…
ヤスミン師匠が生涯をかけて挑んだことは、この『正の循環』を創り出すことだったのでは、と感じます。
さらに本作はアートという媒体を用いて、オーキッド3部作以上の強度で正の循環を歌い上げていると感じました。
本作は音楽映画でして、音楽や歌詞、さらにダンスが持つ特別な力が伝わってきました。楽曲も良かったし、印象的に用いられるドビュッシーのピアノ曲も心に沁みます。個人的にクライマックス以外で最も好きなのはインド系の女の子のダンスでした。
本作における音楽は、観客に訴えるだけではないです。家族の愛情をベースにして障壁を乗り越えるという、ヤスミンワールドの(そしておそらく現実世界の)方程式を、アートによって超えるシーンが描かれてました。
中華系の二胡弾きカーホウは、親父から虐待チックに育てられており、作品内の描写からは家族の愛情を感じません。なので、カーホウは暗くて嫌な雰囲気をまとっています。
しかし、このカーホウが障壁を超えるのです。そのきっかけは音楽です。カーホウはあるアートを感じ、それに応えて一気に乗り越えて行くのです!その鮮やかさ、軽やかさといったら!
ヤスミン師匠は優しいが強い人です。妥協や誤魔化しを許さない厳しさがあります。つまり純度が高い。
一方、アートもリアルであればあるほど誤魔化しが効かず、純度が高くなる特性があると推察しています。
カーホウは純度の高いアートを感じ、その衝撃で一気に自分に正直になる力を得たのでしょう。それは意志の力というよりも、大いなる力=アートの力が彼を一気に解放させたのでしょう。もちろん、その背景にはカーホウが感じていた他者へのポジティブな芽があったことは間違いないです。
しかし、それを一瞬で現実化する力がアートには備わっていることがまざまざと伝わってくるシーンでした。本当にこころがふるえまくりましたね!本当に凄い!凄いシーンでした!
それからもう一点印象的だったのは、主人公のひとりが弱さを抱えたまま作品が終わっていったことです。
それは、その人物が弱いというよりも、弱さに正直になれた、とも言えるのではないかと感じます。ヤスミンの描く『Strength』の道半ば、という感じも受けます。これもまたリアルで誠実だと感じました。
本作はすでに古典の領域にあると感じます。間違いなく今後本作の評価はさらに高まり、もっと身近な作品となっていくことが予想されます。文芸系映画好きにとってはマストとなっていく映画だと感じました。