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グロリアの憂鬱 セックスとドラッグと殺人評論(1)
約35年前のマドリードが舞台なので、現代よりも男性がマッチョに描かれています。さすがに今は少しはマシになっているかもしれませんが。
作品に変人をガンガン登場させる方法で、男性社会に抵抗するのがアルモドバル流。だってマッチョな男性って、自由な女性やゲイが嫌いですのよ。
グロリアは他の男とセックス、お隣は売春、長男はヤクの売人、次男はゲイ。挙げ句の果てに、グロリアは貧しさから次男を養子に出してしまいます。アルモドバルの作品では、風習も世間体も母性愛も女性にとっては邪魔でしかないんですよね。そして女性が美しくて、従順で、結婚が幸せというのもキツイ。アルモドバルは女性の語らない本音を描くのが本当に上手いです。
因みにグロリアが夫を殺すというネタは20年後に「ボルベール」でも描かれているので、なんかこれが元ネタだと思うと嬉しかったです。