「アンダルシアの犬」の異才ルイス・ブニュエルが1962年にメキシコで手がけた作品で、ある邸宅に閉じ込められたブルジョワたちがたどる意外な運命を、ブラックなブルジョワ批判を交えつつ描いた不条理劇。オペラ観劇後に晩餐会に招かれ、ノビレ夫妻の邸宅を訪れた20人のブルジョワたち。晩餐を終えた彼らは客間にすっかり腰を落ち着かせ、夜が明けても全員が帰る方法を忘れたかのように客間を出ることができなくなってしまう。そのまま数日が過ぎ、水や食料も底を突いて命を落とす者まで出現。ブルジョワたちの道徳や倫理が崩壊していく中、事態は異様な展開へ転がりはじめる。第15回カンヌ国際映画祭では賛否両論を巻き起こし、同映画祭の国際映画批評家連盟賞を受賞。日本では1981年にフランス映画社配給で劇場初公開。2017年12月、36年ぶりにリバイバル公開。
皆殺しの天使評論(9)
ブルジョワ階級や、政権が入れ替わったり、教会が大きな力を持っていたり、という日本人にはあまりなじみのない状況について、それを歴史リアリズムとしてでなく、風刺としてあらわすために、不条理という手法を使っている。
なんなんだ、この設定、なんて言ってる場合じゃないんだな。
多分、本当のあれこれを知らないと気付かないあれこれがあるんだろうな、と思うしかない。
が。
知らないなりに、極限状態を自分の知ってる範囲で想像して、どうなるんだろう、と考える楽しみもある。ま、苦痛もある、といったほうがいいかもだけど。
とっても個人的なことなんだけど、高校のころ、サルトルの「出口なし」にもろ影響を受けて、「壁」っていう脚本を書いて、演劇部で上演したことを思い出しました。あのころ観ていれば・・・・と残念。(日本上映はその後でしたが)
同じ場面に戻ってやり直す、なんて、筒井康隆のSFか、と思ってしまった。ww
シュールレアリスムが、好きな私には、いまごろ観ちゃったよ~ という作品でした。
わかるかな~~ わっかんねぇだろうな~ (とっても古い人間です)