ドゴールフランス大統領暗殺を請け負った1匹狼の殺し屋ジャッカルを、これを阻止せよとフランス警察の全県を委任された1警視ルベルの戦いを描いたフレデリック・フォーサイスのベストセラー小説「ジャッカルの日」の映画化。製作はジョン・ウルフ、デイヴィッド・ドイチェ、ジュリアン・デロード、監督はフレッド・ジンネマン、脚本はケネス・ロス、撮影はジャン・トゥールニエ、音楽はジョルジュ・ドルリュー、編集はラルフ・ケンプランが各々担当。出演はエドワード・フォックス、エリック・ポーター、デルフィーヌ・セイリグ、ミシェル・ロンスダール、シリル・キューザック、オルガ・ジョルジュ・ピコ、アラン・バデル、デレク・ジャコビ、ミシェル・オールレール、バリー・インガム、ロナルド・ピカップ、デイヴィッド・スイフト、デニス・ケリー、アントン・ロジャース、ジャン・マルタンなど。
ジャッカルの日評論(10)
1970年代の映画だが、今見ても楽しめる
ジンネマン監督の傑作
ジャッカルの 一歩先行く仕事振りが、興味深い
パスポート、アルファロメオ、銃の仕様も
変装も…
女も男も 自分の性をも使って、駒の様に
利用してゆく
最終突破に「傷痍軍人」を使うというのも、
フランス人の軍人への敬意を利用している
武器や変装だけでなく、空気を読む、相手の心の隙を突くなど 勘の冴え、等も テクニックとして 見せている
人間味のないジャッカルに 当時、無名だったフォックスを抜擢し、その存在の軽さが 逆にリアリティを感じさせる
反対に、彼を追うルベル警視に 人間味を持たせている(手柄を途中で 横取りされそうなところも!)
空の巣症候群ともいうべき、マダム・モンペリエは ジャッカルにつけ込まれてしまうのだが、デルフィーヌ・セイリグが 女心の隙と大人の色香を見せて、とても美しい
(ジャッカルにも ときめきが… これも計算ずくなのだろうか… 夫人は 即、捨駒にされる )
スパイや軍人などが、そのスペックを上げてゆくと 人間味がほとんど無くなるのだな、としみじみ思う
あと、ハニートラップは いつも鉄板!
政治家や官僚って、
こんな風に 罠にはまるのだろうか?
映像で語る。
見直せば見直すほど物語が鮮明になり、キャラクターの深みがましてくる。
この映画にケチを付けるとしたら、リアリティがあるだけに、ご都合よく展開する所が気になってしまうこと。
もしかしたらテレビドラマ派や日本映画が好きな人には物足りないかもしれない(付いていけない)かもしれないが、映像で語るこそ映画の醍醐味なのだ。
しかしどうだろう!
これほど手に汗握り、心臓の鼓動が高鳴る程の面白さだだったとは!
派手なアクションシーンも殆ど無く、殺人シーンも静かに、あったのかというほどに終わる
淡々と物語は進み、誰も怒鳴ったり大声を上げたりはしない、走りもしない、不必要なことは喋りもしないのだ
それでも、じわじわと温度が上がっていき、クライマックスではもう身を乗り出して観ているのだ
自分も大人になり様々な登場人物の立場毎、役割毎に感情移入できるようになった
見逃していたシーンの意味と繋がりが読み取れるようにもなった
だからこそ一層面白くなったのだろう
これぞ大人の映画だ
動物ものかと思って借りてきた。全く違った。スパイ映画?観ながらどっちを応援すべきかさえ分からなくなってきて混乱した。使い捨てのような扱いの女性が可哀想。まさか主人公が非情な暗殺者だったとは! もう少し足が付かないように行動出来ないものか? いつもギリギリで逃げ切る様子がまた手に汗もの。あの仲間が拷問でいつジャッカルと言ったのか分からなかったが、白状しなければ、確実に暗殺は成功したと思わせる。ジャッカルは手際も良いし、利用したら最後、容赦なく殺す。ただこの映画沢山人が死んでいくが、殺しのシーンは隠れて見えない事が多いだけに最後はビックリ&壮絶!
大昔観たことがあったようだが最後のシーン以外は忘れていたので、スリルを味わいながら楽しんで観る事が出来た。