カナダ北部のツンドラ地帯を舞台に1人の生物学者と悪魔の化身とも恐れられているオオカミの触れ合いを通じて大自然の驚異を描く。ディズニー・プロ内に設立されたウォルト・ディズニー・ピクチャーズの第1回作品。製作はルイス・アレン、ジャック・クーファーとジョセフ・ストリック、エグゼキュティブ・プロデューサーはロン・ミラー、監督は「少年の黒い馬」のキャロル・バラード。ファーレイ・モワットの原作『オオカミよ
なげくな!』(紀伊国屋書店)を基に力ーティス・ハンソン、サム・ハム、リチャード・クレッターが脚色。撮影はヒロ・ナリタ、音楽はマーク・アイシャム、美術はグリーム・マレイ、録音はアラン・スプレットが担当。出演はチャールズ・マーティン・スミス、ブライアン・デネヒー、ゼイチャリー・イッティマンヤックなど。
ネバー・クライ・ウルフ評論(1)
ストーリー: 15
キャスト: 60
演出: 30
ビジュアル: 65
音楽: 60
ドキュメンタリー調の映画だがドキュメンタリーではない。何か全体的に理想主義に走りすぎて現実を無視して変に思える。狼はトナカイを襲ったことが観察されたことはないから、トナカイの減少には関係がないとかっていう最初の主張がまずおかしい。狼がトナカイを襲うのは常識だろうし(本物のドキュメンタリー番組で何度も見たことがありますし、学説でも常識だと思います)、大昔から狼に捕食されていたからといって、トナカイの数が最近になって急に減ったのは狼のせいだという理由には最初からならない。それは恐らく人間誕生以前から繰り返されてきた自然の営みです。特に人間によって大量に駆除されて数が減少した狼が、今更トナカイの数を減少させることなど出来るわけがない。
何か自然や狼に対する神秘主義的な崇拝みたいなのが映画の主題にあるようで、しかもそれが必ずしも現実に即していないように思える。物語もあまり盛り上がりがなく、学者が一人自然の中で孤独に生きて観察をしてたまに人とも出会うというだけ。正直退屈でした。