ウィル・ヘンリーの原作をカール・フォアマンが脚色「死刑台への招待」のJ・リー・トンプソンが監督したアクション篇。撮影は、「プレイラブ48章」のジョー・マクドナルド、音楽はクインシー・ジョーンズが担当。出演は「アラベスク」のグレゴリー・ペック、「ファニー・ガール」のオマー・シャリフ、「追いつめて殺せ!」のテリー・サヴァラス、他にジュリー・ニューマー、キーナン・ウィン、リー・J・コッブ、エドワード・G・ロビンソンなど。製作は脚色も担当している「野性のエルザ」の監督カール・フォアマンと音楽家のディミトリー・ティオムキン。
マッケンナの黄金評論(1)
グランド・キャニオンの真っただ中、保安官マッケンナ(ペック)はいきなり老アパッチのライフルに脅かされ、撃ち合いとなって彼を殺してしまう。彼が持っていたのが黄金のありかを示した地図。しかし、マッケンナもまた黄金を探し求めていたことがあり、嘘くさい!とその地図を焼き捨ててしまう。そこへ現れた悪党のコロラド(シャリフ)。アパッチ族の仲間も含め、黄金を欲しがる者ばかりの集団。捕えられたマッケンナ。そのアジトへ他の無法者ベン・ベイカー(イーライ・ウォラック)が現れる。色んな職業の者、新聞編集者、牧師、店主など、そして中には盲目となった伝説のアダムズ(エドワード・G・ロビンソン)もいた。彼らはともに黄金を求めて団結するが、コロラドを追いかけていた騎兵隊を撒くために分裂。生き残った5人・・・マッケンナ、コロラド、判事の父親を殺された娘インガ(カミラ・スパーヴ)、かつてマッケンナの恋人(?)であったアパッチの娘ヘシュ・ケ(ジュリー・ニューマー)、アパッチの青年。だが、執拗な騎兵隊だったが、すでに昇進を諦めた軍曹のティッブス(サバラス)が部下を殺し、黄金探しのメンバーに加わってしまう。
そんな奇妙な関係を保ちながら冒険へと旅立つ6人だったが、今度はアパッチ族の集団に襲われる。まるでインディ・ジョーンズのような展開。筏で川を下るシーンも見事。そしてついにいい加減な地図の目的地に到着する。「黄金なんてない」と言い続けてきたマッケンナの「夜明けになると谷が現れる」というハッタリも真実となってしまった・・・おいおい。
黄金郷を見つけた6人だったが、伝説通り、殺し合い。嫉妬に狂うヘシュケとインガ。そしてアパッチの言い伝えである精霊の怒り。ティッブスもあっさり殺され、残ったのは丸腰となったコロラド、マッケンナ、インガだけ。崖の上での死闘も再度現れたアパッチによって絶体絶命となったが、突如襲ってくる地震(老アパッチの怒りか?)によって命からがら谷から脱出。最後には奇妙な友情によって、コロラドと別れる2人だったが、こっそり採ってあった金塊・・・気づかないままエンディングを迎える。
黄金なんて殺し合いの元凶。人の心を狂わすものだ。清純派のインガが狂ったように黄金の夢を語る演出もにくい。悪党のコロラドも死なないというプロットも風変わり。まぁ、ストーリーよりはスペクタクル映像を楽しむ映画なのだが・・・