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ダークタワー評論(20)
自宅にて鑑賞。原作者S.キング自らライフワークと呼ぶ30年以上に亘り書き続けられた集大成とも云える大作で、七篇の長篇と外伝(短篇)一篇からなるシリーズの第一弾。ファンタジックな世界観乍ら前史的な剣や弓ではなく、銃をメインとした泥臭い西部劇風の味付けがなされている。原作とは様々な点で相違が見られるが、然程の齟齬を来しておらず、単作として本作だけ観ても完結しており、充分愉しめる。ただ長いシリーズものの性として、細部や設定等に謎が散見出来、それらが続篇以降への期待であると共に歯痒さも残ってしまう。70/100点。
・妖しげなモブキャラを含め、相対的に配役が佳かった。中でも“ローランド・デスチェイン”のI.エルバは前評判を押し退け、大役を全うした。“ウォルター・オディム”のM.マコノヒーは今のってる人、とても魅力的であったし、少ない出番乍ら“ローリー・チェンバーズ”のK.ウィニックも深く印象に残った。
・このシリーズでは一貫して、深紅(クリムゾン)は邪悪を象徴する色として描かれており、本篇でも中間世界の影響を受け、ニューヨークを地震が襲う際の天空に暗雲が立ち込めるが、濁ったその中に深紅っぽい色彩が混じり、見え隠れする怪物もその色を帯びている。中間世界に出現する怪物も深紅の靄内で蠢いており、これらは続篇以降の伏線となっているのかもしれない。尚、スタッフロールの最後には続篇を(未だ生きていると)思わせる口笛が聴き取れる。
・原作によると、ダークタワーは約182メートル(600フィート)の高さがあり、6本の細長いビームが放射線状に梁をなし、その先端を12の偶像(サイボーグ)が守っているとされている。
・S.キングによると、本シリーズ執筆にあたってJ.R.R.トールキンの『指輪物語』と『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗('66)』に深く影響を受けたとされ、まだ20代前半だった'70年代から断続的に書き進めたと云う。映画化に際しては原作同様、様々な過去の作品をリンクさせようとしたが、著作権の問題から断念せざるをえなかったアイデアが多数あったらしい。
・本編内で、S.キングのこれ迄に映像化されたキャラクターやビジュアルの内、『シャイニング('80)』のオーバールック・ホテルと双子、『クリスティーン ('83)』の'58年製赤いプリムス・フューリー、『クジョー('83)』のセント・バーナードと母子、『ショーシャンクの空に('94)』のR.ヘイワースのポスター、『IT/イット('90・'17)』の“ペニーワイズ”と風船等が確認出来た。探せば他にあるかもしれない。
・I.エルバが演じた“ローランド・デスチェイン”は、C.ベイル、D.クレイグ、J.バルデム、M.ミケルセン、V.モーテンセンが候補に挙がっていたらしい。M.マコノヒーの“ウォルター・オディム”には、T.ハーディが候補だった。
・本作のキャスティングには、リブート後の『スター・トレック』シリーズ('09~)に出ている演者が多い。これは当初、J.J.エイブラムスが映像化権を有してた為と思われる。J.J.エイブラムスは、製作のR.ハワードとN.アーセル監督に権利が移る直前迄、本作の映像化に関っていたらしい。
・鑑賞日:2017年11月5日(日)
でも徐々に軽くなっていった印象で、サイファイとはいえ、あらゆる想像が不自然なで無理があるような映像の連なりに見えてしまい、あっけなく終幕してしまったので、見だしの期待値からはかなりあっさり終わったなーという感想です。
短い映画でコンパクトにしたエンタメを目指したような印象です。個人的には、淡泊ながらもしっかりと作り込まれたような印象の娯楽作品も嫌いではありません。それほど面白くない超大作よりは遥かにましだと思いますが・・・
私は原作を読んでおりません
少年ジェイクに全く感情移入出来ませんでした。
確かにジェイクが見る夢について友人以外は親にすら信じてもらえず、あまつさえ施設に送られそうになったりしましたが、しかし、結局両親は殺されてしまった状況でラストには、ここに私の居場所はない。みたいな感じでほいほい異世界に行くかな、母親はジェイクを施設に送るまでは味方だったし、友人もジェイクのことを信じていたわけなのに、なんの未練もなく自分の世界を棄てたのが理解出来ません。
星2はアクションが良かった分です