古代中国を舞台に、冷徹な司法次官と人魚の皇子の恋の行方を描いたファンタジー・ラブロマンス。不審な事件が相次ぐ長安の治安確保にあたっていた司法次官・遠山は、滅亡寸前の人魚の国から逃げ出してきた皇子・い下を捕らえる。周囲の人々は冷徹な遠山がい下を殺さないことを不思議に思うが、遠山はい下に惹かれ、い下も遠山を慕っていた。そんな2人には、心から相手を思うが故の悲劇、そして奇跡が待ち受けていた。「のむコレ'21」(2021年10月22日~/東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋)上映作品。(※タイトル「こうしょう碧」の「こう」は鮫の異字体、「しょう」は糸へんに肖の字が正式表記/登場人物「い下」の「い」はさんずいに猗の字が正式表記)
こうしょう碧 真珠の涙評論(1)
My biggest secret is
"you"
上映時間が65分とされているけども実質1時間ほどの映画で残りの5分間を何故?付け加えたのかが分からない。この映画製作者が木っ端微塵に自ら台無しにしている。
それだけではないけれど... 武侠劇の部分が多いためか、それよりも全天候型のビデオカメラが重宝したのかが分からないにしてもビデオの悪い部分である寒々としたクッキリと映し出される事で冷めた感じがして仕様がない。
普段からマスクをつけ顔を半分隠すのは美男の眼を強調する演出として受け入れられてもそれと何故か彼らの地毛とのバランスの良い生え際のカツラではなく、頭の上に乗っているヘルメット観は気になってもしまう。
全体として、古臭いCGIに加え、アートディレクターや映画製作に携わる装飾部の細かな部分でのこだわりの無さが、この冷めたビデオクリップ的韓国フュージョン時代劇のオマージュしたような映画スタイルは何かをはき違えている。
中国政府の厳格な検閲規制を考えると、中国本土からのこのBLドラマは、その厳格な法律と法的要件を通過するのに苦労した事を耳にする。その良い例が、先日鑑賞する機会のあった孤独な男女のメロドラマ『少年の君』が挙げられ、映画の上映の遅れや検閲後のカットされている部分があるために一部にスレッドのチグハグさがあったことが言えるかもしれない。
しかし、『こうしょう碧 真珠の涙』の場合 、BLドラマ映画は検閲の壁を越えて成功しただけでなく、2人の挑発的な性描写についてオンラインでセンセーションを起こした一面も伝えて聞く。
「のむコレ'21」の作品全体として十把ひとからげに言うけれども映画としては成り立っていない。仮にこれから見るとするなら、そして許されるなら「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2021」の作品を選んだ方が無難だとはっきりと言うことができる。
趣味嗜好は人それぞれでも... ?