大都会ニューヨークを舞台に、悪魔が法曹界の黒幕となり若き弁護士の魂を狙うという訴訟王国アメリカならではのオカルト映画。監督は「黙秘」のテイラー・ハックフォード(製作総指揮も)。アンドリュー・ニーダーマンの小説『悪魔の弁護人』(ソニー・マガジンズ刊)を原作に、ジョナサン・レムキンと「ボディ・バンク」のトニー・ギルロイが執筆。製作は「フリー・ウィリー3」のアーノン・ミルチャン、「マッド・シティ」のアーノルドとアン・コペルソン夫婦の共同。撮影は「マンハッタン・ラプソディ」のアンジェイ・バートコウィアック。音楽は「ポストマン」のジェームズ・ニュートン・ハワード。美術は「依頼人」のブルーノ・ルビオ。編集はマーク・ワーナー。衣裳はジュディアンナ・マコウスキー。SFXは「メン・イン・ブラック」のリック・ベイカー。出演は「死にたいほどの夜」のキアヌ・リーヴス、「フェイク」のアル・パチーノ、「トゥー・デイズ」のチャーリズ・セロン、「クルーシブル」のジェフリー・ジョーンズほか。
ディアボロス 悪魔の扉評論(10)
展開もありきたりです
アル・パチーノの終盤の長セリフはよかったが、キアヌリーブスは最後までこれといった活躍、見せ場がなかったのは残念。
悪魔が固執するには、規模が小さすぎる。
アル・パチーノとキアヌ・リーヴスの共演も魅力的で、悪魔と弁護士の絡みが面白かった。
妻役のシャーリーズ・セロンは、この映画で知った。
野心を秘めて颯爽としたキアヌ・リーブスと怪しいアル・パチーノと、出演者の演技は良かった。
しかし物語がどうにも納得しがたい。悪魔的な事柄が法曹の話に絡んできてどっちつかずになり、いったい何が主題なんだろうかと困惑する。非現実的な悪魔の話などなかったことにして、成功と出世にとりつかれた若手弁護士が、汚い法曹界の現実に直面するという話にしたほうが良かったのではないか。