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座頭市 THE LAST評論(19)
市とヒロインとの馴れ初めも、市と故郷(ですよね?)の人々との関わりも、敵役・天道一家との因縁も、最後の一騎討ちの一部すらもポンポン飛ばす。
説明を省きに省いた演出で突き放した感じや殺伐とした空気を出そうとしたのだろうか。だが省き過ぎて登場人物たちが何を考えているのかすら分かり辛い(笑)。お陰で登場人物1人残らずに感情移入できないまま映画が終わってしまった。
唯一心を動かされたのは雪原で倍賞千恵子と市が言葉を交わすシーンだが、それ以外は——。
だが周りの観客は違った。観客の殆んどを占めていたのは60代前後くらいの方々だったが、終盤ではあちこちから啜り泣きの声が。
うーむ、この映画の表現に抑揚が無いのでは無くて、僕が感情過多な映画表現に馴れすぎてるだけなのかなぁ。
さてさて実際に眼を瞑って演技に挑んだという香取慎吾。ラストかどうかは知らんが、彼の座頭市は予想以上に頑張っている。
商業主義のあざといタイトルで損してる所も大きいのだろう。
が、やはり違和感がある。
一言で言うと、彼からは血の匂いがしないのだ。それはバラエティでのイメージが強過ぎるせいか、声と背が高過ぎるせいか、あるいは元来の性質か……殺気や泥臭さというものが決定的に欠けている。
今回の市を『生き場所の見つけられないナイーブな男』という風に見ればこの選択も間違いではないが、主人公であるにも関わらず、存在感不足は否めない。仲代達矢との共演シーンじゃ仲代達矢しか見えねぇもの。
だが、殺陣はかなりのものだったとも付け加えておきたい。
竹林や雪原など、様々なシチュエーションで繰り広げられる殺陣もしっかりこなし、迫力もスピード感もなかなかのもの。勝新の『座頭市』は恥ずかしながら一作も観てないので比較は出来ないが、少なくとも他の観客の方々は大満足だったようだ。
鑑賞後、手押し車のお婆ちゃんが「凄い迫力の殺陣だったねぇ! 昔の映画じゃこうはいかなかったよ!」とそれはそれは嬉しそうに僕に話し掛けてきてくれたので、そこは信用していい(笑)。
また、シーンをぐっと盛り上げるテーマ音楽や、巨大セットを組んでの撮影、そして序盤の長回しを始めとした大胆なカットなど、画にはなかなか力が篭っている。
迫力のある殺陣が観たい方や、ナイーブな殺人者の行く末が気になる方はご鑑賞を。ダウナーな物語なので、そこは注意です。
<2010/5/30鑑賞>
途中で見るのをやめちゃいました。
盲目の居合いの達人やねん!!!な!!
なんであんなんやねん
歩き方とか普段の生活シーンとか
盲目やのに受け太刀したりするんやぞ!
ただの、両津に見えたわ