ジーン・ケリーが主演を務め、1952年・第24回アカデミー賞で作品賞を含む6部門に輝いた傑作ミュージカル。画家としての成功を夢見てアメリカからパリへやって来た青年ジェリーは、ピアニストのアダムや歌手のアンリら友人たちと楽しい日々を過ごしていた。ある日、ジェリーの個展にやって来た富豪の女性ミロが彼を気に入り、公私にわたるパトロンとなる。ジェリーはミロと一緒に訪れたキャバレーで、愛らしいパリ娘リズに一目ぼれ。2人は恋に落ちるが、ジェリーはリズとアンリが婚約していることを知る。ヒロイン役のレスリー・キャロンはバレリーナとして活動していたところをケリーに見いだされ、本作で映画デビュー。「花嫁の父」のビンセント・ミネリがメガホンをとり、「マイ・フェア・レディ」のアラン・ジェイ・ラーナーが脚本、ジョージ・ガーシュウィンと兄アイラがそれぞれ作曲と作詞を担当、ケリーが自ら振付を手がけた。
巴里のアメリカ人評論(15)
踊りの好きな方向けだと思った。
ストーリー: 60
キャスト: 80
演出: 75
ビジュアル: 60
音楽: 75
個人的にはミュージカルが好きではない。突然人が踊りだしたり歌いだしたりするのに違和感を感じるからである。名作といわれるミュージカルをいくつか見たが、それでもこの思いは変わらなかった。
しかしこの作品では子供を楽しませるため・ピアニストが練習しているとき・主人公が想像をしているときなどに歌ったり踊ったりと、比較的自然に音楽と踊りを取り入れている。その意味ではあまり違和感を感じることなく見ることが出来た。
好きなのはセーヌの川岸でジーン・ケリーとレスリー・キャロンが恋に落ち踊るところが美しかった。酒場で突然声をかけてきたケリーを警戒していたキャロンが、誠実な思いに心を揺さぶられ戸惑いながらも彼の心を受け入れるところである。彼女の初々しさが、タイプは少し違うが「ローマの休日」のオードリー・ヘプバーンのような新鮮さを少し思い出させる。
反対に駄目だったのは最後の20分近い科白一切無しのミュージカルの場面。その中にはいいシーンもあったけれど、正直長すぎて退屈しました。これをもっと短く凝縮してまとめていればもっと高い評価を出来たと思います。
ラ・ラ・ランドはこう言った映画をリスペクトしてますね。パリのアメリカ人(映画館で見た)はベンチと黄色いドレスが、ラ・ラ・ランドですね。
レスリー・キャロンが歌い出したら、満点なんだけど、歌わなくても4.5には出来ない。
ケリーは当然素晴らしいですよ。
ストーリーにはこの際目をつぶりましょう。