フランスの巨匠ルネ・クレール監督の初期の代表作のひとつで、フランス革命記念日「巴里祭」の前日に織り成される男女のすれ違いの恋の行方を情緒豊かに描いたラブストーリー。アパルトマンの向かいどうしに住むタクシー運転手のジャンと花売り娘のアンナは、密かにひかれ合っていた。巴里祭の前日である7月13日、にわか雨をきっかけに心を通わせた2人は、翌日に踊りにいく約束をする。しかし、思いがけない出来事によって彼らの仲は引き裂かれ……。1932年製作で、日本では翌33年に公開。2019年6月、クレール監督の生誕120周年を記念して4Kデジタルリマスター版が公開。2021年10月にもルネ・クレール没後40周年にあわせた「ルネ・クレール
レトロスペクティブ」でも4Kデジタルリマスター版が公開。
巴里祭評論(5)
最初に観たときは、その時までに観た映画の中ではベスト10に入ると感動したのだが、今観ると、こんな話だったのか!と、アナベルの麗しい笑顔しか覚えていなかった(笑)
それくらい、主人公のアンナの魅力が映画全編に溢れていて、残念ながら、彼氏がいまいちw
特に、ショックを受けた後、子供にあたってしまうアンナが、すぐに後悔して子供を抱きしめながら、自分の哀しさを噛みしめるシーンとか、まさに、人情の機微を映し出して、ルネ・クレール、ホントに巧い!
意外とコメディタッチが強く、脇役も達者で、ある意味、チャップリンを思わせる味わい。
上映時間も90分以内と観やすく、おススメの一品。
パリ祭の名前は日本だけだそうで、日本での配給会社が本作の邦題をこう名付けたものが日本で定着したそうです
成る程見事な邦題です
当時の人々のセンスに脱帽です
その前日から物語は始まります
お話は挿入歌の歌詞の通りです
モーリス・ジョベールの有名すぎる名曲です
パリのあちこちの街角で
毎日太陽は照りつける
それぞれの運命の中で
恋の夢が花開かせる
アンナとジャンの恋の物語に、パリの市井の人々の暮らしが様々に登場し物語を彩ります
時にコメディぽく、時にシリアスに
パリの大空の下、90年近い昔のお話ながら、変わらず今もこれからも永遠の命のある物語が、今日もまた繰り広げられているのかも知れません
フランス映画の金字塔だけでなく、映画史全体の金字塔だと思います
Finの文字がでたとき、感動で快い涙がこぼれました