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PUSH 光と闇の能力者評論(20)
ポップなBGM 心地好く
能力表現映像も中々良かった。
だけどラーメンは啜って食え!
サイキック(超能力者)どうしの戦いによる、息詰まる心理戦が、良かった。
主人公たちも、不可能のないスーパーヒーローじゃなくて、能力の限界の中で、大きな敵(ディビジョン)と戦うので、最後まで目が離せない、ハラハラドキドキの感じで見れました。
特に、主人公のパートナーの予知能力者を演じていたダコタファニングがとってもいい演技をしていました。
ただ、各自の能力の種類が違うので、あとから再登場した人は、一瞬何の能力者だったか思い出せず、ちょっと頭を悩ませます。
それから、結局ドラッグの入ったカバンを、分からないようにシャドーしてたのは、ふぁにんぐのお母さんだったってことなんでしょうかね。
その辺がちょっとややこしくなっちゃってます。
でも全体的に、良かったです。
最後の終わり方がぱっとしなかった。
俳優陣の個性的な演技力はとても素晴らしいかった。
超能力者を集めて人間兵器にするという発想。昔からあるSFの設定ではあるが、ムーバー(念動力者)とかウォッチャー(未来予知者)とかプッシャー(記憶操作能力者)といったネーミングなんかは独創的で面白い。他にもちょっと怖かったブリーダー(音によって振動を放出する能力者)、スニファー(サイコメトリー能力者)、シフター(物体の外観を変換して錯覚させる能力者)、ワイパー(記憶の一部を削除する能力者)、シャドー(ターゲットをスニファーからブロックして隠す能力者)、スティッチャー(肉体を癒したり、壊すことができる能力者)などなど。
中心となるのは初心者ムーバーのニック(エヴァンス)とウォッチャーのキャシー(ファニング)。そして、彼らが探し求めていたのはプッシャーのキラ(ベル)。親子にその能力は遺伝するらしく、突然変異ではないことも読み取れる。キラはディビジョンという超能力兵士養成機関で超能力を増幅させるステロイド剤のような注射薬に唯一耐えられ、生き残った人間だ。とにかくプッシャーとしてはエリートなのでディビジョンも手放したくない存在であるため、同じくプッシャーであるディビジョンのエージェント、ヘンリー・カーバー(ジャイモン・フンスー)も執拗に追いかけてるわけだ。一方、舞台は香港であるため、香港の超能力部隊もステロイド剤を欲しがっていて、ニックとキャリーは常に二つの組織から狙われている・・・
途中では、かなり対峙しているのだが、ケースの保管場所とかシャドーによって守られているため命を奪われることがなかった。だけど、辻褄の合わないところが数か所。ストーリーは完全にB級だと感じる。それでも面白いのは最強の超能力であるウォッチャー同士の未来読み取り合戦だったり、プッシュすることによって、簡単に敵を殺すことができることだ。銃を向けられても、「銃口を口に入れ、トリガーを引け!」と念じるだけでいいのです。
ちょっとでも変わったことがあると、未来も変わる。だから、理解不能な行動を取りつづければ未来も変わると信じたニックがとった作戦は・・・手紙をメンバーひとりひとりに持たせ、その指令を書いた自分は記憶を消してもらう。しかし、その仕組みは単純で、意外性もない。もっと期待していたのに・・・ストーリーが読めるなんて俺もウォッチャーなんじゃないかと勘違いしてしまうぜ。
ダコタちゃんも大人になりかけで、ちょっとだけ色っぽくなってる。カミーラ・ベルもたれ目だけど、神秘的な雰囲気がなかなかいい。それでもアジア人なら、敵である中国人女性もいいぞ。